top of page
検索

経営者の家庭に存在する別世界

  • 執筆者の写真: Takeshi Sekine
    Takeshi Sekine
  • 2023年1月8日
  • 読了時間: 4分

 年明け早々に重たいテーマを選んでしまいましたが、事業承継の研究に取り組む過程で気づいた重要なお話を今回は書かせて頂きます。経営者の家庭では多かれ少なかれ、以下にご紹介する家庭環境があるのではないでしょうか?




ご自身の家庭環境を考えたことはありますか?

 経営者の家庭で育った子供たちは、概して裕福な家庭環境で育ち成長する過程で、さまざまな経験をしています。持ち物が豊富だったり、おいしいものを食べたり、旅行に出かけたり楽しい思い出もたくさんお持ちかと思います。半面、窮屈な事もあるかもしれませんが。


そして大人になり、いつしか会社を継ぐために家業へ入っていく。

このストーリーが後継者本人にとっても望む道であるならば、なんら問題はないと思います。しかしアトツギの中には、それを望まない人もいますし、会社の方向性や価値観が育ててくれた親と全く違う人もいる。


皆さんの育ったご家庭は、親と考え方が違った場合にそれを許してくれるご両親でしたか?

それとも、かなり強引に軌道修正をかけてくるご両親でしたか?


経営者の家庭であるか否かに関わらず、親というものは子供の幸せを願い子供にあれこれと助言してくれるわけです。ただ、その苦言というものも子供本人の自分らしく生きる方向に役立つ助言であるならば大変すばらしいことです。経営者の方でも、ときどきそのような教育をなさっている経営者の方も見かけることがありますが、おそらく少数派でしょう。


また、両親はそれぞれ子供のためと考えて助言したり説教したりするわけですが、あまりに両親との考え方に隔たりがあると、助言がいつのまにか強制に代わってしまうこともあります。


分かり易い例では、アニメの「ドラえもん」に出てくる「スネ夫」のキャラクター、家庭環境です。お金持ちの家に生まれた「スネちゃま」は、ママゴンである母親から甘やかされる一方、一家にふさわしくない行為や考え方になると強烈な軌道修正を強要してくる。


これは、経営者一族の家庭で見受けられる家庭環境ではないでしょうか?

以下の図は、経営者の家庭を表す一つのモデル図です。





マインド・コントロールと相互依存の家庭環境


 ©ランナーズ株式会社 2023


 この図は一つのモデル図です。

といっても自分の経験をもとに作図した資料ですが、経営者一家にはよくある構図ではないかと思っています。


幸か不幸か、私は長男で生まれ4歳までは1人っ子状態だったため、遊び相手を求めて近所の同級生や年上の子供たちと遊ぶ機会が多かった。家にじっとしていることがなく、毎日のように釣りに出かけたり、ザリガニ・虫を捕ったりする田舎の典型的な子供でした。


後に下の子が生まれてくるわけですが、親はその子たちの育児と会社経営で手一杯だったんだろうと思います。ほとんど、怒られることもなく好き勝手に過ごしてました。長男ということもあり、祖父母からは溺愛され、いつも可愛がられていました。なので本当に自由気ままに伸び伸び育ったのです。


一方、他の子どもたちはどうかというと、ちょっと私とは状況が異なってきます。

家業である会社が段々と大きくなり、いつしか家の格とか、よくわからない価値観が家の中を支配し始めます。その頃には、私は家を出て都会の大学に進んでいたので家の変化に全く気付いていませんでした。


図の解説に戻りますと、経営者の家庭では「スネ夫」の例にあるように親が子供に対して自分たちにとって望ましい生き方や進路を求めるようになります。それはあからさまに強要するのではなく刷り込みによるマインド・コントロールのようなものです。


田舎の経営者の家庭というのは経済的な格差や社会的な地位の違いもあり、人付き合いでも人を選ぶようになってしまうこともあります。それを無意識のうちに子供に強要してしまうことも起こり得るのです。子は親に認めて貰いたいから、一生懸命に親の喜ぶことをやる。親も子供から尊敬されたい、愛されたい思いから、無意識のうちにアメとムチを繰り出す。これがマインド・コントロールであり、相互依存関係なのではないかと研究過程でふと思ったのです。


親が子の幸せを願うことは当然のことです。ただ、それが行き過ぎると子供を自分の理想とする生き方通りに育って欲しいと無意識の洗脳を行ってしまう。



私はこのマインド・コントロールを受けることなく社会に出て、そして10数年の時を経て家庭に戻ったわけですが、強烈なカルチャーショックで自分が崩壊するところまで追い込まれていました。今は、家庭環境から完全に離脱し図の外側の世界で生きているので、こんな考察ができるのだと思いますが、これに気づかず過酷な家庭環境で生き続けるアトツギもいるんじゃないかな。




やっぱり、人生には友達が必要なんだと思います。


経営も一緒で、同一思考の人間だけで固まって経営していては、この図と同じようなマインド・コントロールが起きてしまうような気がしています。家族経営の良き面も多分にありますが、学びや気づきは外の世界に触れてみないと分からない事もたくさんあるよね。







以上

”基本的に毎週月曜日 朝更新してます”

 
 
 

Comentarios


© Runners Corporation 2025

​ランナーズ株式会社

​〒113-0033 東京都文京区本郷1丁目33-4

UP BASE水道橋 301

  • X
  • Facebook
  • note
bottom of page