企業は長く続けば続くほど、仕組み・ルール・やり方を変更するのに超大なエネルギーを要するようになります。私も会社経営の経験で、何度もその難しさに直面してきました。ある時「あなるほど、こうすればいいのか」というコツをつかみました。今回はそれをご紹介します。
コツは、ズバリ上の図です?
上の図は「Uターン禁止」、下の図は「Uターン可能」の標識です。
新米社長、あるいは新しく組織の幹部となった方は、組織の悪い点に気づくといち早くその問題点を解決しようと動きがちです。明確なビジョンを誇らしげに部下に対して語り、
”目指す目標はコレ!、達成する上で問題となっているのはコレ!、じゃあ、明日から変更!”
端的に表現すると、こんな感じでグイグイ仕切って進めようとする人もいます。部下とも話し話し合い、十分な合意が得られた変更であれば問題ないのですが、大抵のケースにおいてそうなっていない。リーダーが変更案を考え「明日から、変えるぞー!」となる。
昭和の時代は、これでよかったのかもしれませんが、現代では無理でしょう。おそらくこの方法では。。。
部下の心理
おいおい、マジかよー、何で今まで通りじゃダメなんだよー
なんで、こんなめんどくさいことさせるんだよー
上手くいくわけないだろー、今までのやり方で問題ないんだからー
新しい社長の気まぐれには付き合ってられないよー
大方、こんなもんだと思います。何かを変える時に賛成してくれる人は殆どいないと思った方が良いです。
じゃあ、どうする?
すごく簡単な話です。人間、強制的に現状を変更させられることには極めて強い拒否反応をしますのですが、原状復帰オプションがついていると反応は変わります。
具体的には、「うまくいかなければ、戻してもOKです」
これをオプションに入れるのです。
そうすることで、試すハードルが下がり、とりあえず試すだけ試してみるかという社員は少なからず出てきます。そして実際に試して運用する際、リーダーであるアナタは積極的に部下から不平不満や不都合をヒアリングし、変更はその不満を訴えている当事者と一緒に改良していくようにする。こうすることで、新しい変更が徐々に社内へ浸透していくようになります。
「うまくいかなきゃ、戻して全然OKだよ」
この作用を知ってから、結構、使うようになりました。今の大学院でも時々、共同ワークでこのテクニックを使っていると思います。コツは、強制せずに変更(=後戻りオプション)を設定して、とりあえずスタートさせることです。
この心理作用、何かに似てませんか?
「ご満足いただけなければ、代金は全額お返しします」。。。
以上
”基本的に毎週月曜日 朝更新してます”
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