ご実家が事業を営まれており、家業で働いていて「会社辞めたいな」と思っている人もいると思います。今回は、そんな方に読んで頂きたいお話です。
そもそも・・・
なぜ、自分は家業に入ったのでしょう?
バラ色のの人生を求めて入りましたか? 社長を目指して入りましたか?
それとも、それまでの生活に嫌気がさして家業に逃げ込みましたか?
或いは、親族が苦労しているのを見かねて助けようと思い、入りましたか?
家業に入る理由は、人それぞれですが、必ず何らかの目的があって家業に入ったはずです。
その目的を達成できて卒業したいという事であれば、何ら問題はありません。
直ぐにでも、あなたの新しい人生に向かって家業を後にし、一歩を踏み出してください。
もし、そうでないのなら、この先を読み進めてください。
世の中、そう甘くない
ここまで読んでいる方は、目標を達成できていない。 でも、家業から離れようとしている。
先代である親族との不仲、社内にいる兄弟との不仲かもしれませんね。もしくは、会社の先行きが不安であり、ご家庭をお持ちの方であれば将来の生活に不安を感じ抜け出そうと考える方もいるかもしれません。
その他、家業にどうしても興味が持てず、自分のやりたい事が出来ない環境から逃れたいという方もいると思います。
理由はどうあれ、仮に家業を抜けたとして簡単に次の職が見つかるか?というと、そう甘くはありません。よほどの特殊なスキルを持った方でなければ、そう簡単に満足できる職に就ける可能性は高くないというのが私の個人的な見解です。
採用する側の立場で考えると分かるのですが、履歴書を見て「なぜ辞めたのか?」「なぜ、職を探しているのか?」という質問を必ずされると思います。
仮にサラリーマン時代に働いていた業界へ戻ろうと転職活動をしたとしても、家業が全くの異業種であった場合、家業で働いる期間中はその道での専門性が途絶えています。採用する側からしますと、キャリアの一貫性がないことに疑問を抱くのです。
また、経営側の仕事をしている事も履歴書を見れば明らかであり、年齢にもよりますが、採用する側(=企業)も平社員で雇う事が難しいという場合もあります。
そうなると、平社員で未経験でも採用されるような仕事か、もしくは同業他社という話になってきます。さすがに同業他社への就職は難しいと思うので、そうなるとグッと給料を下げて異業種・未経験の仕事に就くようなことになります。
ストレートに書くと、家業に入った人というのは「使いにくい人」という評価がどうしても付いてしまうのです。よほどのチャンスがない限り、家業より条件がよい就職口はないと思ってください。
世の中、そんなに甘くないのです。
さらに危険な選択肢としては、起業があります。就職活動をやってみた結果、なかなか良い就職口が見つからない・・・「じゃあ、起業しよう」
これは最も危ないパターンです。「逃げ手」としての起業は自殺行為です。なぜなら、起業の動機が前向きではないからです。逃げの一手で起業して成功した人は、残念ながら今までお目にかかったことはありません。かなりの確率で失敗します。
辞める、転職する、起業する・・・これらを検討する前に、考えて頂きたい事があります。
考えるべきこと
いかなる選択肢を選ぼうとも、自分が「逃げ手」を選んでいないか考えてみてください。もし、少しでも「逃げ」を感じているのであれば、後で必ず後悔すると思います。
実は、私も家業で働いている間、何度か転職しようと具体的に動いたことがあります。私の場合は、自分でも分かっていたのですが、毎度「逃げ手」でした。転職ギリギリで踏みとどまったことが2度もあります。私の場合は、就職先が決まってしまっても、何度も何度も考え、結局は自分から断っていました。
おそらく、本当に転職していたら、後悔しながら暮らしていたことと思います。
私の場合、お家騒動によって最終的に家業から離れることになりましたが、全く後悔していません。なぜなら、自分がやるべき事はやってきたという自負があることと、ある程度、経営に関するスキルや経験が身に付いて今も生活が出来ているからです。
もし、途中で逃げていたら絶対に後悔しただろうと心の底から思うのです。
辞めるのは何時でもできるのですが、もし、本気で辞める気があるのであれば、今いる家業で自分の武器となるモノを既に手に入れているかどうか?これを考えてみてください。
自分の合わない環境、人間関係の中で過ごすのは大変な苦痛を伴う事は分かります。
しかし、逃げ出す、投げ出す行為は絶対に避けた方が良いです。
辛い気持ちは、よーく分かります。私も親族間の人間関係で、どれだけ辛く悔しい思いをしてきたか分かりません。でも、私は嫌になって飛び出さずに良かったなと今、あらためて思います。
自問してください
あなたが家業を辞めて転職する、あるいは起業するとして「これだけは負けない」という何かを身に付けているという自信がありますか?
もし、「負けない何か」を持っていないのであれば、今は辞め時ではないのかもしれません。
考えてみてください。人は、逆境を乗り越えることで学びます。何かを得ます。
居心地がよく、ぬくぬくした環境下では気づきも成長も得られません。
今苦しいのであれば、その環境下で「負けない何か」を得てください。
外へ飛び出すのは、それからでも遅くないと思います。
以上、ランナーズ関根でした。
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