評価制度について”何とかしたい”と思っている経営者の方は読んでみてください。
今まで考えなかった新たな視点を見つけられるかもしれません。
公平性を求めても正解はない
評価制度の改定を検討する際、だいたいの経営者や人事部長は「公平性」とか「透明性」という事を念頭に変更を検討していく。
しかし、人の評価というのは人が行うわけであり必ず主観が入る。なので、誰もが納得できる公平な評価方法などつくれないのです。無理です。
じゃあ、どうするか?
多くのコンサルが提案するパターンは、事細かな目標設定を行わせPDCAによるガチガチな仕組みを提案する。など仕組みで機械的に答えが出るような提案だったり、「面談を多くやりましょう」とか「複数人視点で多面評価=360度評価しましょう」などと提案します。さらには「管理職の研修やましょう」と。研修やればコンサルが儲かるからね。。。
私もアトツギだった時代、コンサルの提案に従いやってみたことがありますが、全くうまくいかず社員の不満を増大させるだけでした。
そもそも給与・賞与ってどう決まるの?
実は、ここがすごく大事なポイントです。
中小企業であれば社長が全部評価をしていることもあると思いますが、一般的には管理職の人たちが人事評価制度に従って「ABCDEF」とか「1~10段階評価」で点数つけてきますよね?その後、その評価結果は総務部に回されて社長が最終チェックするというよう流れだと思います。そして定められた比率に応じて総務部で採点結果が金額換算されて、もう一回、社長がチェックして基本給、賞与が決まっていくというのが流れだと思います。
ここです、ここっ!
最後の一番大事な金額換算を「総務+社長」がやっている。
皆さんからすると何ら違和感ないですよね?
現場で交わされる上司部下の会話はこんな感じです。
部下:「部長、A評価なのになんで賞与少ないんですか?」
上司:”俺が最終金額決めてるわけじゃないんだよ”
”総務と社長が決めているから理由はわからない”
”俺には権限ないから総務に聞いてくれ”
おそらく、皆さんの会社でもリアルにこんな会話が交わされていると思いますよ。
価制度における大事な視点
ここまでで、お分かり頂けたかもしれませんが、大事なことは評価する物差しだけじゃないという事です。”誰が金額を決めるのか?”ってことです。
部下からすると、結果が一番大事であり上司にはA-Fとか、1-10とかの説明ではなく「なんで、この金額なの?」という質問の答えを欲しているんです。上司が決める権限を持たずに中間手続きとなる採点だけやっているなら当然ですが、部下の質問に答えられないですよね。
私がやった評価制度の改定
管理職が、部下に言い訳できない仕組みに変えました。
簡単な話なのですが、管理職に基本給なら基本給、賞与なら賞与の予算枠を割り当て、管理職の裁量で金額を決定できるように変えました(権限移譲です)。ただし根拠なしではできないので、従来の評価制度を継続運用し、70%は評価制度による配分、残りの30%は上司が自由に配分できるように変えました。極論いうと1円単位で上司は部下の支給額を決めることができます。これで管理職たちは部下からの「なんで、この金額なんですか?」という質問から逃げられなくなります。
さて、どうなったか。。。
社内には「今回から皆さんの直属の上司が”支給額を決めます”」というように思いっきりアナウンスしました。変更当初は、多くの管理職が悩み「社長、決めれません」と言ってきましたが当然ながら突っ返しました。管理職は、悩みに悩んで金額を決めていきます。面談も総務から指示しなくとも、現場では勝手に複数回行われるようになっていきました。管理職が評価の重責を理解したからです。
これが、すごく大事なことなんです。AからF、1-10段階評価による採点をやっていた際には、管理職はここまで悩みながら評価をやっていなかった。制度改定によって、ものすごく悩みながら金額を決めるように変わった。
つまり、管理職の真剣度の問題...
という事なんですよ、大事なポイントってのは。
いろんな仕組みであれこれやっても、結局は管理職の「真剣さ」を引き出せないと部下も納得できる評価にならない。複雑なことをせずとも、権限移譲して部下を最も間近で見ている管理職が最終結果を決めれるように変えるだけで評価制度が有効に機能することもあります。
というお話でした。
もし、この仕組みについて詳しく知りたい、あるいは導入を手伝ってほしいという方は、はホームページからお問い合わせください。
以上
”基本的に毎週月曜日 朝更新してます”
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