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  • 執筆者の写真Takeshi Sekine

会社経営と兄弟について

 多かれ少なかれ、社内に兄弟がいる場合は何らかの問題を抱えている事が多いのではないでしょうか?今回は、会社経営と兄弟について書きます。


揉める原因は入社前から火種がある

 私の場合もそうでしたが、もともと兄弟仲は悪くなかったが、家業で一緒に仕事をするようになり、段々と兄弟仲が怪しくなるケース。私が今まで聞いた事業承継絡みの相談で円満に関係が維持できているという話を聞いたことがない。


年上の子供は、「弟・妹とは分かり会えていて揉めるはずがない」と思っている人が殆どです。私も全く同様で「まさか。。!?」と思うような出来事が生じるまで、全く気付かない。一方、年下の弟妹は長い期間、上の兄姉から可愛がられる一方で理不尽な扱いを受けている事も多い。当事者間だけでなく、親からの扱いが長男長女を何事も優先させることに違和感を感じ「なんで自分だけ?」という疑問を感じ始める。


さらには、会社へ入る前のキャリアの違い。例えば、年下の子供の方が一流企業に入社し、会社の中でも大活躍。さまざまな世界を見聞きし、視野が広がり経営者としてのキャリアを考えるようになり家業へ戻る。年上の兄姉は、他社に就職することなく大学卒業と同時に家業に入り親の仕事を手伝ってきた。あるいは、一旦は就職するも大きな成果を収めることなく短期間で家業に入る。


このような状況であっても、大半の親は残念ながら長男・長女に後を継がせようと考える。優秀な年下の弟妹が会社に入っても、年上の兄姉と比べて権限やポジションは明らかに低く十分に力を発揮する機会すら与えられない。


ここまで読み進めて頂ければ「そりゃ、揉めるよね」と誰もが思う事と思います。

そうなんです。このパターンは間違いなく争いになります。実力のある者が、実力のない者に押さえつけられる。これ、もし動物の群れの世界だったら、おそらくあり得ない状況だろうと思います。自然界では、力のある者のみが群れのトップに就くというのが自然の掟ですので。


しかし、人間の世界はそのようにできていない。知能が高い故の特殊な世界ではないかと思います。このように自然の摂理で考えますと、群れの中で2頭のリーダーが共同で群れを率いることなどできない。トップは、あくまでも1頭であり且つ、力のある1頭が自然とリーダーになる。こう考えると人間の世界って、自然の摂理に適っていない、おかしな事が起きる特殊な世界だなと思う。




親が年上の兄姉をアトツギに選ぶワケ

 社員に慕われる事だけが良い社長とは限らない。経営者である限り、結果を出すことが最も重要な責任。望ましいのは、社員や取引先・顧客にも慕われ、魅力的な人間性を兼ね備え、会社の業績を伸ばし続けるリーダー。ただ、これを全て持っていて欠点がない神様のような人間など存在しえない。誰もが1つ、2つの欠点を持っている。この特性の違いが兄弟間で全く違う場合があります。


 例えば年上の兄姉は、社員に優しく大らかであるが商売センスがなく、お人好しで騙されたり儲け損ねたりするようでは困る。そのために番頭さんが必要なんですが。

反対に年下の弟妹は、したたかで人を簡単に信用せず、合理的に物事を進め、確実に稼ぎを積み上げていく。ただ仕事の進め方がドライだったり、冷徹さが垣間見れる性格で社員からは恐れられている。


この状況ですと、次期社長を選定する親は迷うでしょう。

「お前たち兄弟なんだから力を合わせて働け」という話になってくる。

しかし、価値観や性格が全く異なる兄弟です、いくら力を合わせろと言われようが無理なものは無理です。では、どうして親は年上を後継者に選ぶのか?




ズバリ悪者になりたくないからです。


特に田舎であれば、長男・長女を後継者にしておいた方が無難な選択となります。

もし、前途した弟が稼ぐ力もあり、人間的に魅力的な人物であっても兄・姉を後継者に選んでしまう親は山ほどいます。最初に生まれた子供だから可愛いという感情もあるでしょう。でも、その一方で仮に下の弟妹を後継者に選んだら、当然ながら溺愛してきた兄・姉からは恨まれ悪者になってしまう。可哀そう。それが怖いのです。それが嫌なのです。


残念ながらこれが現実であり、兄弟仲が悪くなる理由は当事者同士の問題だけではなく、実は親の関与がマイナスに働いているケースが結構あります。「悪者になりたくない」という心理から出てくる「兄弟平等」という発想。これが、余計に兄弟、子供たちを苦しめる原因となることを親(先代)は理解していない。というのが、私自身も経験した事業承継では多分にありましたし、多くのファミリー企業で見られる「負の構図」ではないかと思います。



腹の座った経営者であれば、冷静に状況を見定め、会社の将来を考えて望ましい方を後継者指名し、さらには選ばなかった兄弟については会社で謀反を起こせないように手厚い退職金を支払い退社させるか、別会社などを作って争いが起きないように状況を整備するでしょう。でも、ここまでやれる経営者はまず、いません。経営者であると同時に親ですから。




私ならこうする

  1. 安易に子供を会社へ入れない。新卒では100%入れない。外で働かせる。

  2. 入れるのであれば、目的を明確に答えさせる。

  3. 親の後を継ぎたいという理由だけなら入れない。

  4. 何を成し遂げたいのか答えがないとダメ。

  5. 仮に兄弟が入ってきて一緒に仕事するとになり、後継者が一方に決まったら選ばれない方は、その時点で会社を去る事になるが、それでも入たいか?

  6. 兄弟だけでなく、社員で優れた人材がいれば子供には継がせない。それでも入りたいか?

後継者選定に必ず失敗しない方法などないと思います。ただ、現時点で私が分かっている事は、上記のような厳しい事が起こり得る状況であっても、家業に入って経営者を目指したいという覚悟を持っているかどうか?これを最初に吟味すると思います。


 最終的に兄弟同士、後継者選定の結果を受け入れ、力を合わせて働きたいという事になるかもしれない。その場合、選ばなかった子供を残すかどうかは悩むところです。




私が経験した事業承継でも思う事ですが、親(=先代)の腹の括り方が浅いと子供たちが苦しむ。本人(=親)はできる限り、人から非難されないように、子供から嫌われないように、考え行動してしまう。これが悲劇を生む大きな要因であったりします。なので、本来であれば子供を会社へ招き入れるなら最初から1名と決めておくのも対策の一つだと思います。





以上

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