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執筆者の写真Takeshi Sekine

社長はIT音痴でも大丈夫か?

 最近はChatGPTという新しい技術がメディアを賑わせていますが、アトツギの皆さんの中にはITに詳しい人、苦手という人もいると思います。今回は、中小企業におけるIT投資で社長が果たすべき役割について書きます。



中小企業の社長はどこまで知っておくべきか?

 最新の技術動向をすべて把握しておく必要はありませんが、どのようなソフトウェアのジャンルがあるのかというレベルは勉強しておくべきかと思います。


例えば、会計ソフト、生産管理、CRM、ERPとか横文字が多くなりますが、ソフトウェアの分類と代表的な製品名くらいまでは知っておいて損はありません。ここを理解していると、自社の課題に対してどのようなジャンルのソフトウェアを導入すれば解決策となるか判断できます。逆に、このレベルも理解していないと業者の言いなりになる危険性がるので、少なくとも参謀となる方に頼んでも良いのでジャンルと代表的なソフトウェアくらいは追っかけるようにして頂きたいと思います。


日常的に、日経新聞や日刊工業新聞を購読されている方であれば記事を読んでいくことで自然と知識が入ってくると思います。それ以上の情報ソースを見る必要はありません。


新聞の他に、東洋経済、日経ビジネスなどのビジネス雑誌を購読していますと時々、ITの最新技術、ソフトウェアに関する特集を組むので、その記事を読むことで一気に情報が得られます。私は週刊東洋経済を購読していますが、年に数回は特定ジャンルのソフトウェアやIT技術に関する詳しい特集記事がでるのでそれを隈なく読んで知識を入れています。経営者であれば、これで十分です。



システム投資の前に社長がやるべき事は?

 ここがほとんどの中小企業で軽視されているというか考えられていない重要なポイントです。まず、部下からIT投資の話が来たら、社長であるあなたがやるべきことは「その提案=投資」が、あなたの考える経営課題の中で対処すべき優先順位が高いものかどうかをチェックしなければなりません。


大企業ならお金があるでしょうから、余裕かもしれませんが中小企業はそういうわけにはいない。どんな製品を入れるかという話ではなく、そもそも、経営課題としてトッププライオリティとなっている問題解決に寄与する投資なのか?社長が吟味しなければいけません。


ここをIT音痴だからと情報システムの社員に任せてしまうと、よくわからないシステムが入ってきて結局は無駄な投資になるという事も生じかねません。


まずは、自社の経営課題として優先度の高い問題を解決できる投資のか確認すること。





製品(=ソフトウェア)選定は一番最後!

 やるかどうかの判断を下した後、すぐに製品を選んではいけません。

情報システムの人たちは、モノを知っているだけに直ぐに実現手段の検討に突き進んでしまいますが、そうならないようにストップをかけるのも中小企業では社長の役割かもしれません。


まず、部下に指示して頂きたいのはIT(=道具)を一旦横に置いて、業務の進め方自体の改善に取り組むよう指示をしてください。今では、これが重要なことは殆どの経営者の方が理解されていますが、念のため書きました。どれだけ立派なソフトウェア(=道具)を入れようとも、業務プロセスそのものが変わらなければ何の意味もありません。


社内システムだけでなく、ECや何らかのサービスを提供するソフトウェアであってもビジネスモデル、業務フローの設計が良くないと、どれだけ高額なIT投資を行おうと稼げません。今も昔も、ITは道具であってビジネスモデル、フローを実現するための手段でしかない。骨となるビジネスモデル、業務フローがなければ、上からソフトウェアというボディを乗せても走れないのです。



業界のマーケティングに乗せられるな!

 今ではDXという言葉を知らない人は少数派だと思いますが、IT業界にいた私からすると、昔から同じことやっているなぁーというのが感想です。新しい造語やキーワードを作り出して業界挙げてIT投資を煽るのが繰り返されてきたマーケティング手法です。ICT、Web2.0とか、ユビキタスなどなど、定期的によくわからんキーワードが生み出されて投資を煽るのです。


ちなみに、最新のソフトウェアやシステムを導入しても儲かりませんからね!

そもそも論ですが、売っている製品、技術、営業力など企業としての強みがないと絶対に儲かりません。付き合いのある事務機器販売店が変な提案持ってきても乗らないこと。



私も社長になってからは、これでもかっ!というくらい事務機器販社から営業を受けていました。「俺に何言ったって乗らないからな」というオーラを出していても、彼らも仕事なので、毎回よくわからない経営者をターゲットにしたセミナー招待状を持ってきます。勉強のためにそういうセミナーへ出かけること自体は悪いことではありませんが、そこでおだてられたり、持ち上げられて変な提案に乗らないよう注意してください。




新しいシステムを入れる場合の注意点!

 どんなシステムであれば、一挙にドカンと一斉導入するのはNGです。部分的に入れて効果検証を行い、不具合がないか最新の注意を払って確認していく。システムを入れたことで変なプロセスや仕事が増えていないか、よーく部下の報告に耳を傾けてください。システム部の人だけに聞いても駄目ですよ。利用者である現場の社員に「これ、本当に使える?」という確認はちゃんとやりましょう。


下手すりゃ「社長が入れると決めた仕組みだ!」なんて話になっていて現場では窮屈な思いをしながら新しいシステムを使っていることだって結構ある話です。なので中小企業であれば、新しい仕組みを入れた時は社長が現場の社員に直接状況を確認することが重要かと思います。ここで芳しくない答えが返ってきたら、急がずに議論したほうが良いです。





まとめ

 ということで、ここまで読んで頂けたら社長がIT投資で何をすべきかご理解頂けたと思います。中規模?くらいの会社であれば、CIOとかCTOみたいな役割の方がいるかもしれませんが、中小企業ではそんな役割の人がいる会社は少数派です。あなたが社長であれば、上記の内容くらいは抑えておくようにしてください。



以上

”基本的に毎週月曜日 朝更新してます”

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