私がコンサルタントになったきっかけは、決して望んでなったわけでもなく、失意のどん底からのスタートでした。今回は、私が残りの仕事人生でやりたいことについてです。
コンサルタントになった背景
ご存じの方も多いと思いますが、私はもともと地方にある中堅企業の後継者として働いていました。トータルで16年半勤務したのですが、社長に就任して3期目かな、突然、身内から取締役会で社長の座から引きずり降ろされ、最終的には会社を追われることとなり、その後コンサルタントになっているんです。
詳しい話は割愛しますが、私が社長を降りなければいけない正当な理由はなく、まして会社を追われるような失敗や罪を起こしたようなことは一切ありまん。私が邪魔な存在だと考えるようになり、彼らが一策企てて私を追い出したということです。
社長職を降ろされてから1年くらいは、飾り物の会長というポジションで会社に残っていたのですが、社長職を解職されて数か月間は完全に思考停止状態でした。あまりの衝撃に自分の置かれている状況、今後、このまま会社に残っても親族に何をされるか分からないし、そもそも自分が主導権を取り戻せる可能性もなく、完全にまな板の上のコイ状態でした。
半年ほど経過して、ふと「これ、俺だけじゃなくて世の中、似たような話があるに違いない」という風に考えるようになりました。おそらく、私と同じように親族内の綱引きに巻き込まれて窮地に立たされている後継者もいるでしょうし、また私が苦しんだように社長になるために何を学べばいいのか、社長業って何すればいいのか? こんな疑問を抱える人たちの心の支えになったり、自分自身が苦労して学んだ経営の基礎的なスキルを伝達することで、私のような不遇な経験をしなくて済むように後継者の役に立つことができるんじゃないかというのが、コンサルタントになった背景なんです。
正直、この方向性が出るまでは、生きるしかばねのような辛い日々を過ごしました。しかし、毎日、自分の先の人生を考える期間があったからこそ今があるとは思いますが、二度とそのような日々は経験したくないなと今でも思います。
コンサルタントになって思ったこと
やっぱりというか、後継者の方で次期経営者として先代や先輩取締役から計画的な指導や教育を受けている人は殆どいませんでした。おそらくですが、大企業でも大して変わらない状況だと思います。私も後継者時代は、社長になるまでに何を学べばいいのか暗中模索でした。幸いにして、私の場合はホテル事業の経営再建とか普通の人が経験できないような特殊で過酷な環境に直面し、その過程で私に指導してくれる方がいたり、取締役の中には言いにくいことも指摘してくださる番頭さんもいましたので、そういった方々のおかげで私は何とか会社を運営できたんですね。相当に恵まれた状況だったと思います。
地方の中小企業の後継者は、学ぶ機会や学べる相手、相談相手が少ない。
経営は確かに難しい仕事ですが、基本はある程度同じです。
その基本さえ学んでしまえば、大きな失敗をすることなく何とか会社を経営できる。しかし、その基礎を学ぶ機会が本当にない。MBAも私は通いましたが、正直言って、学んだ内容で会社経営できるかというとNoです。知っておいた方が良いことは確かにありますが。
この空白地帯となっている「経営の基礎」これを日本の若手経営者、あるいは経営者を目指す人たちに伝えていくことが自分の進む道かもしれないと思うようになりました。
残りの仕事人生でやりたいこと
私がコンサルティング業務でアドバイスしているテクニック的なこと、教えているスキルなどは多くのコンサルタントが同じようなアドバイスをしていると思うんですね。
ただ、他のコンサルタントと私の違いがあるとしたら、経営者の気持ち、経営者と接する人たちの心情などに関することを詳しく伝えています。同族経営であれば、親子間で生じる考え方や価値観の違いなどについてもアドバイスします。
経営者は、相手の心情も読みながら人を動かす必要があり、それができるようになってくると業績にも表れてきます。スキルや知識だけではダメなんですね。
このような感情などは、フレームワーク化することが難しく、私でないとアドバイスできないことも正直あります。
私がこれからやりたいのは、最初は少数精鋭でこのエモーショナルな部分も含めてアドバイスできる優秀なコンサルチームを作ることです。そして、彼らが伝道師となって全国のコンサルタントへそのノウハウを伝え、結果として全国のコンサルタントが我々のノウハウを活用して若手経営者を支援し、日本の中小企業を強くする。
これが、私が残りの人生でやることです。
知識やスキルだけが高い経営者を育てるのではなく、感情豊かでビジョンを掲げ達成していく経営者の育成に貢献することが私のやることです。
今までも基礎さえ学んでおけばこうならなかったのに。。。という若手経営者、後継者を見たこともあります。勢いだけで経営はできません。そのあたりからやっていきたいと思います。
さて、今後ですが、近日中にライブ配信をはじめたいと思っています。
なかなか、文字だけでは伝わらない私の人となりなどもお伝えできればと思っています。
以上、ランナーズ関根でした。
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