わたしが、銀行マンの話に耳を貸さなかった件
- Takeshi Sekine
- 1月25日
- 読了時間: 4分
中小企業の社長になると、銀行の営業マン・支店長と頻繁に顔を合わすことが多くなります。地銀では、そもそも貸し出せる相手企業が少ないため貸し付け可能な企業には、これでもかと営業をかけてきます。そんな中で、私が絶対に耳を貸さなかった話について今回は書きます。

私が耳を貸さない話(その1)
支店長からの電話・・・
付き合いの長いメインバンクともなりますと、支店長との付き合いもありますよね。 「折り入ってご相談がありまして」という電話が支店長から年に数回、私宛に掛かってきます。
さて、みなさん、どんな要件だと思いますか?
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(答え)お付き合いで、お金借りて欲しいという話です。
どれだけ頼みこまれても、私は必要のない借り入れは一切お断りしていました。
会社の資金需要とか知っているハズなんですが、無茶なことを言ってきます。
銀行では支店単位で競わされるため、期末や四半期ごとに上層部からプレッシャーをかけられた支店長が駆けずり回るということが起きたりします。私が一番驚いた提案は、他行も含めてシンジケートローンで借りてくれないかという提案もありました。金融機関同士で顧客抜きで話し合い、そんな提案を考えて持ってきたりするんですよね。支店長の立場も理解できますので、話だけは毎回お聞きしていましたが、絶対に付き合いでは借りませんした。
なぜなら、私が社長を務めていた期間は、前社長が残した借金がかなりあり、財務体質を強化しなければいけないフェーズだったため返済を進め、負債比率を下げる戦略をとっていたからでした。
社長さんによっては、支店長から頼み込まれると断り切れず借りちゃう社長さんもいらっしゃいますが、私は銀行から嫌な顔されるのを覚悟で断り続けていました。でも、何ら問題はなかったですし、支店長さんたちも私の考えは尊重してくれていましたので特段の嫌がらせなどはなかったです。
私が耳を貸さない話(その2)
為替リスクのヘッジ・・・
これも多い話なんですよねー、海外からの仕入れが多い企業には銀行がよく持ってくる提案の1つです。仕入れの比率をちゃんと算出し、仕入れが自社の損益に与えるインパクトが大きい企業であれば、もちろん、為替のリスクヘッジは必要です。仕入れだけでなく、輸出が多い企業も為替リスクがあります。海外と直接取引(輸出)を行いドル決済しているケースを考えても、そこそこ規模の大きい企業でなければ直接取引は少ないと思います。
殆どのケースでは、日本の商社を介して取引しているのではないかと思います。
規模の大きくない企業にとっては、ドルで決済を行う取引はそんなに多くないと思います。
銀行は、ちょっとでも海外との取引があると分かると、すぐに「為替のヘッジ対策を考えましょう。こんな商品があります。」と・・・持ってきます。
そういう提案が持ち込まれた際には、自社の取引全体に対するドル取引の絶対額・比率をちゃんと把握して為替のヘッジをするかどうか検討してください。私の場合は、経理と経営企画に海外取引のデータを整理してもらい「必要ない」という判断ができたので、何度も提案されましたが毎度、お断りしてきました。
先代から為替のヘッジを続けてきている企業もあると思うんですよね。でも、本当に必要かどうかはご自身が社長になった時点で計算して必要性を判断することをお勧めします。前からそうだったから、、、という話は大体損していることが多いので要注意です。
私が耳を貸さない話(その3)
借りれるときに借りておきましょう・・・
私の場合は、殆どのケースでお断りしていましたが、この提案が来ると借りる経営者は多いと思います。なぜなら、普段は簡単に融資が下りないのに相手から「お貸ししますよ」という申し出なわけです。しかも、金利も優遇されて良い条件で借りれる。
借りた方が良いのかもしれませんよね。
ただ、私の場合は前述したとおり財務体質を短期で改善させる戦略をとっていたので需要のないキャッシュは持たないようにしていたため、基本、融資の提案は全てお断りしていました。うーーーん、今後も私の場合は「借りれるときに借りる」ってことはないだろうなー。現在の会社は業種的に先行投資がそんなにないので。
会社と金融機関との付き合い、親密度によるとは思いますが、私のように先代から続く金融機関との「持ちつ持たれつ」の関係を気にかけず、実需に基づく取引しかしない・・・という事も可能なんですよね。過度に金融機関へ気を遣う必要はないと私の場合は考えていました。
銀行との付き合いって、なかなか難しいですよね。 弊社のコンサルティングでは、こういった悩みのご相談も伴走型コンサルの中でアドバイスをしていきます。経営でお困りごとがあれば、お気軽にご相談ください。
以上、ランナーズ関根でした。
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