「私がやってきた採用作戦について」

更新日:1月25日

いつの時代も、中小企業では良い人材の獲得は難しいものです。

今回は、私が人材採用に関して取り組んできた事例に関するお話です。

仕事をしていて嬉しいと感じる場面として、社外の方に「お宅の社員は優秀ですね」と褒めて頂く時、特に喜びを感じます。業績が良い時よりも、社員を褒めてもらえる時が一番嬉しい。それだけ自分の中では、社員の成長が重要なんです。



皆さんは、どんな基準で人材を採用していますか?

”職種に応じて”。。。というのが一般的な回答ではないかと思います。


私が社長になる前の話ですが、当時から自社の採用プロセスに関して課題を感じていました。それは、会社としてどのような人材が欲しいのか基準がなかったからです。


職種によって要求される技能(スペック)の定義は何となくわかるのですが、そもそも人材としてどのようなタイプの人が欲しいのか決まっていない。人の性格は十人十色ですが、選考する段階でタイプとしてどのような人材を会社として採用するか、という基本方針がないと、職種ごと、あるいは面接官ごとにバラバラなタイプの人材を採用してしまう事になります。ここでいう、タイプとは、価値観、行動パターン、性格などを意味します。あまりにも揃えてしまうと、多様性が欠落した組織になると思われがちですが、実際にはそうはなりません。前途のように性格は十人十色なので、選考でいくらフィルタリングしても必ず個性という色が出て均一にはならないのです。



会社の基準がない中、まず自分だったらどんなタイプの人材が欲しいのか整理してみました。そして、それを数名の社員にも見てもらったりしたのですが、私が作った資料を見た社員は、「こんな完璧な人間なんていませんよ」という反応でした。最初は、おそらくそういう反応をされるだろうとは思いましたが、しばらくはその基準で選別するように現場にも頼みました。そして、基準を作るだけでなく、模擬面接を何度か行い、面接官のトレーニングを行いました。


サラリーマンの宿命ですが、部下は上司を選ぶ権限がありません。しかし、それで本当にいいのか?という疑問はいつもありました。そこで拠点の責任者、部門長を採用する場合も部下となる人たちも面接に参加してもらい、判別してもらうようにしました。どれだけ基準を設けても、最後は相性なんです。この人と働いてみたいと思わない人を採用しても、いい結果にはならない。なので、部下に上司を選ぶ権限を渡すというのも一つの方法ではないかと思います。当社ではそんな事もやっていました。





新卒採用についての取り組み

私が社長になるまでは、採用は基本的に総務人事任せでした。それまで総務からは”当社のような会社に国立大の学生は来ない”という事を聞かされていましたが、「本当か?」と思う疑問はありました。そこで、ホテル事業で苦労を共にした社員を人事担当に任命し、一緒に就活イベントに出て、私も学生にどんな会社なのか、どのようなチャンスがあるのか、何に取り組んでいるのかプレゼンするようにしました。その結果、それまで当社のブースは閑古鳥が鳴いていた状態が何年も続いていましたが、いい大学の学生が説明を聞きに来るようになり、最終選考まで残るところまで来ました。また、当社より名の知れた企業の内定があるにも関わらず、当社へ入ってくる学生も出てきました。


他の社長と違う事をやった方が良いなと考え、私は手製の「私が社長です」と書いた星形の派手なバッチを作り、恥ずかしかったですが、それを身に付けて会場を歩いていました。そうすると、他の企業の人事担当者から写真撮らせてもらっていいですか?と言われて、写真を取られたりもしました。やはり、中小企業はトップが出ていき、思いを語ることが最も効果的です。新潟県では、就活イベントが1月2-3日と正月にやるので、毎年、正月は採用の仕事が入るというパターンになりました。一日7時間はあるので、正直、疲れますし、正月なのに子供と一緒にいる事もできませんが、そういう活動をやってよかったと今も思っています。


また個別の学校訪問も、できる限り私も出向きました。特に理工系の大学、学部の就活セミナーには出るようにして、イベント同様にプレゼンを行っていました。

アトツギの皆さんも就活イベントでは、私と同じようにブースに立っている事と思いますが、やってない人は是非、やってみてください。



採用を成功させる取り組み例

絶対うまくいく、という訳ではありませんが、とにかく現場のメンバーを面接に参加させること。そして、どのような点が優れていて、どこが欠けているのか、修正の余地や期待できそうな点があるのか議論する事です。採用は、経験をこなさなければ、やはり上手くはなりません。私も相当な人数の面接をやってきましたが、最初は散々でした。


中小企業であれば、あるほど、現場の社員を面接官にして面接を行うべきです。そうする事で、だんだんと面接に参加する社員の選球眼も磨かれ、いい人材が採れるようになってきます。時間はかかりますが、確実な方法です。また、考え方として部下となる社員にも上司を選択する権限や機会を提供するという事も重要です。


部門長の採用権限を高める 

普通の会社では採用の最終判定は総務人事が行う方式が一般的と思います。しかし、それでは面接する人たちが責任感を持って面接しないのです。採用した人材を本気で育てようとか、フォローしようという行動を起こしにくいのです。それは、最終決定権が総務人事に委ねられているからです。「総務が最終判断したんだから、俺の責任じゃない」という事になるのです。そうならないように、当社では最終判断は基本的に現場部門の部門長が採用権を持つようにしていました。こうする事で言い訳できなくなるからです。こうなると、部門長は真剣に面接するようになります。これも手段としては、お勧めです。



ただ、後悔した事案も何件かあります。どう見ても、私の目で見た時、「この人はちょっと合わないな」という人が数名いたのですが、現場の管理職からどうしても採りたいという要望があり、私が折れて採用した人が数名いました。結果は、やっぱり駄目でした。その後、会社に定着できず混乱が生じる結果になりました。難しいところなのですが、中小企業のようなサイズの企業では、経営者である自分が「ダメだな」と思ったときは、採らない方がいい。。。というのが、私の経験から出た答えでした。とはいえ、できる限り、現場の意見を尊重するようにはしています。




「新卒が採れない」と嘆くアトツギの皆さんへ伝えたい事

一番大切な事、あなた=アトツギが採用の場に必ず出て、会社の代表として学生に語り掛ける事。面接にくる学生だけを相手にしていてはダメですよ。面接に来てもらうための場面に、アトツギが出てないとダメです。資料を自分で作ってください。人任せではダメです。会場でいかに魅力的な会社であるかを情熱をもって語る事です。これができなければ、アトツギとしては失格といっても過言ではありません。


採用とは、企業ブランドを構築するという活動でもあります。

だから簡単には成果が出せない。トップが自ら隊長となって継続的に取り組むべき課題なのです。




終わり


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