同族経営では、社内に兄弟がいて、うまくいかないケースも多いと思います。私も過去に弟が同じ社内にいて大変な目に逢いました。私の経験から、対処方法について解説させて頂きます。
争いを避けるために、いくつかルールを決めておくことが有効です。 以下に、その例をご紹介します。
言動・振舞のルールを決めておく
当事者同士で決めることは難しいので、先代も交えて皆さんで協議し、以下のようなルールを作ると良いと思います。
社員の前では喧嘩しない
お互いの陰口となるようなことを社員には言わない
社内外問わず、兄弟の悪口や愚痴は言わない
社員を巻き込んだ派閥を作らない
他人から兄弟の悪口を聞いても鵜呑みにしない、話に乗らない
先代(=親)を盾に話し合いをしてはいけない。意見があれば直で話す。
相手の考え、行動に意見を言う場合は、対面で伝える=メールはNG
経営に関する議論は、感情で行わず理論的且つ、合理的に行い、会社の利益を最優先とする
他にもあると思いますが、コミュニケーションのグランドルールみたいなものです。こういったことを決めておくと良いかと思いますが、実際には感情的になると守れるものではないですが、ルールが全くないよりは良いです。経験上。
最終的にどちらの意見を優先するか基準・条件を決める
これも当事者同士が決めにくいことですが、私の経験からしますと、本来は決めておくべきです。
世代交代前であれば、先代(現経営者)が経営判断で迷った場合、どのように意思決定を下してきたのか事例を交えながら、経営者として、会社として正しい意思決定ができるようなガイド(=指針)となるような基準・条件を決めておいた方が良いと思います。
例えば。
会社の長期的な利益に貢献する意見・提案
社員の幸福に寄与する意見・提案
顧客への提供価値・競争力向上に直結する意見・提案
など、経営判断のガイドラインになるようなものです。
意見が割れた場合、より会社への貢献度の高い意見・提案を採用するということです。
こちらのルールも、現実的にはルール通りに協議できるかといえば難しい面はありますが、ルール(指針)がないよりはマシなので、作成することをお勧めします。
兄弟経営がうまくいかない場合の、究極の解決策
世代交代前であれば、先代が誰をトップに据えるのか早めに選択し、明示することです。実は、解決策はこれに尽きます。
普通であれば、年長の子供がトップの座を引き継ぐというのが波風立たない人選ですが、必ずしも年長の子供が経営に向いているとは限らず、年下の子供の方が経営者に向いているという場合もあります。
先代は、冷静に子供の能力差を見極め、最も会社の経営者として適した人材を選ぶべきですが、これが容易にできないというのが人間です。
親族だけで解決できないのであれば、親族以外の幹部にも意見を聞いて決めるか、私のような事業承継を経験しているコンサルタントに意見を聞くことも良いかと思います。
親族だけで決めるのは、「利害関係」がでてきます。それを排除し、客観的にいい人材を選ぶためには第三者の目がどうしても必要です。
私が後継者を選ぶ立場であるならば、信用できる経営者仲間に後継者候補と会食を交えながら交流してもらい、客観的な意見を求めると思います。外部の意見を聞きつつ、社内幹部の意見のヒアリングして最終的な答えを出すかもしれません。
迷いがなければ、これらのステップをスキップして決めちゃうと思いますが。
後継者を決めた次は?
2つしかありません。
1:後継者に選ばれなかった子供には、十分な報酬・対価を払い会社から出てもらう
2:仲良くできる場合は、社長になる子供に対して最大の味方になる、支える立場になる確約をさせる
どっちかしか、ありません。
よくあるケースとして、会社を分割し、兄弟でそれぞれ経営させるという選択肢もありますが、あまり良い方法ではありません。会社が分割しますと無駄なコストが生じますし、何より分割してしまうことで会社の強さが半減してしまいます。勿体ないです。
会社は、親族のためだけにあるのではなく、お客様、そして働いてくれる社員の人生がより良いものとなるために存在しているという考え方もあります。その場合、会社分割はあまり良い方法ではないと個人的には思います。
もし、兄弟経営でうまくいかない、兄弟不仲でお困りの場合は、ぜひ、当社へご相談ください。この分野は、お得意分野となっております。
以上、ランナーズ関根でした。
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