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執筆者の写真Takeshi Sekine

なぜ上司・経営者は、有能な部下を疎ましく思うのか?

 非同族の会社であれ、ファミリービジネスであれ、この問題はリアルに存在するものです。今回は、この闇深いテーマについてです。




出る杭は打たれる?

 これ、皆さんも経験ありませんか?自分は一生懸命頑張って成果を上げているのに、なぜか上司の機嫌が悪い。結果が出れば出るほど、上司が自分に厳しく接してくる。。。  会社組織では自分より格下の部下が、自分を超える活躍を始めると本能的に自分を守る習性があり有能な人を無意識のうちに攻撃するようになるようです。


これ、サラリーマンの方であれば社内でよく見かける光景だと思うので処世術をすでに心得ている方もいると思います。しかし、若手のビジネスマンは正義感に溢れ、且つ貢献意欲が高いが故に全速力で結果を出そうと奮闘する。そして結果が出始めると、足を引っ張り始める人が出てくると。。。悪夢ですよね。


幸い私はサラリーマン時代にこのような嫌がらせをしてくる上司はおらず、成果に対しては常にポジティブなフィードバックを得られていたので、本当に恵まれたサラリーマン時代を過ごさせてきました。


ファミリービジネスであれば、先代社長が後継者の活躍が目立ってくると、突然いろんなことに口を挟むようになり後継者との口論が絶えなくなるという話はよく耳にする話です。




私が経験した出る杭

 私の人生経験では、家業を継いだ後にとんでもない目に遭遇しました。

先代から私へと経営の世代交代が行われ、その後、順調に会社の業績は伸びていき、社内のさまざまな課題に対しても1つ1つ手を打ち、諸問題をクリアしていきましたが、最後は好業績を上げている最中に会社を追われる事となります。


私が家業を追われた背景には、私自身の経営者としての適性・力量・人間性などの問題ではなく親族内の思惑によって会社を出ざる得なくなりました。まさに、私は出る杭として血を分けた実の家族に打たれ追い出されたわけです。今にして思えば、私自身の脇の甘さもあって追い出されたんだなと思いますが。


これは極端な例ではありますが、私のようにファミリービジネスから追い出される後継者は実際に存在します。悲しい事ではありますが、これが現実です。




ファミリービジネスでも要注意

 巷にあふれるマネジメントのHow To書籍には、決まって「部下を励まそう」「部下の成果をわがことのように喜ぼう」というようなメッセージが書かれている。多くのビジネスマンが、そのようなマネジメントに関する書籍を読んでいるハズですが、実際の社会ではそのようになっていない事の方が多いような気がします。


ということはですよ、自分の上に上司がいる環境で働いている立場としては「出る杭は打たれる」というリスクを常に考えておく必要があるということなんだと思います。


私はファミリービジネスに加わり、後継者として一生懸命、社業の発展に尽くしていたわけですが、まさか親族に追い出されるような事態が起こるとは全く予想していませんでした。親戚・親兄弟であれば、会社の発展は喜ばしい事であり、一緒に喜んでくれる事だろうと。。。まして自分の子供が親である自分を超える成果を上げたとなれば、親は嬉しいと思うのが常識と考えると思いますが、人間はそう単純にはできていないようです。


これが人間の性なんだと思います。


全ての人がそうだとは限りませんが、実際にそのような状況に遭遇すると眠っていた本当の性が出てきて、出る杭は打たれてしまう事が起きるのかもしれませんね。


非同族の会社で、大きい企業であれば足を引っ張られることはよくありますので、それなりの注意を払いながら皆さん働くと思いますが、ファミリービジネスでも起こり得るという事を後継者の方は十二分に自覚しておくことが肝要かなと思います。




じゃあ、どうすれば良いのか?

 ファミリービジネスであれ、非同族の会社であれ「出る杭は打たれる」のメカニズムは同じで他人からの妬みです。これを回避する方法を考えるしかない。


私が支援している後継者の方々には、仕事で成果が上がったときは「先代、古参の幹部に感謝を伝える」という事をアドバイスしています。現実として後継者と部下の皆さんで築き上げた成果であったとしても、そういう方々への配慮を欠かさないということです。


これは非同族経営の会社でも同じことで、成果が出たら上司への感謝を伝えるこまめな行動がリスクヘッジになります。


上司、創業者、古参の幹部などは、それまで自分たちが頑張ってきたから今の会社があるという自負はとても強いものです。今日の成果があるのは「我々のおかげだ」という思いが強いのです。なので、そこに意を唱えるような言動は、不要な反発や嫉妬を招く。そうならないように後継者、部下の皆さんは配慮する必要があるのです。多分、皆さん、分かっている事だと思いますが。。。


これは、打たれないようにするための防衛戦略だと割り切って考えてください。

大企業で出世する人たちは、多くの人がこの処世術を身に付けている。偉い人って、リアルに仕事ができる切れ者だけじゃないですよね。あれ?と思うような人が役員になっている事はよくあり、社内政治の勝利者ですよね。これが現実なんですよ。


正義感、正しい事へのこだわりが強すぎる人は、たとえ成果を上げていたとしても、この配慮が出来ていないとハイリスクの状態です。


そこはファミリービジネスでも同じなので、くれぐれもご注意ください。

繰り返します、「防衛戦術」として割切ってください。理想は本当に心から感謝の気持ちを持てる事がベストです。それができないのなら、表面的だけでも礼を尽くす事。




以上、ランナーズ関根でした。

ブログアーカイブ:https://www.runs.co.jp/blog

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