経営者の自己投資について
- Takeshi Sekine
- 6月30日
- 読了時間: 4分
更新日:6月30日
自分の学びに関する自己投資のお話です。優秀な社長、もしくは優秀な社長候補の方は、本能的に学びの自己投資をやっています。今回は、経営者がスキルを上げるための自己投資について書きます。

中小企業経営者が自己研鑽にかける月間費用の分布
(出典:船井総研)
船井総研の調査では、月5万円以上を学習に投資している経営者が約3割で、へ近で3.5万円ほどの自己投資を行っている社長が多い。お金の支出項目としては、書籍購入、セミナー参加費、経営塾・社長塾などとなっている。会社の業績を伸ばしている人ほど、自己投資の額が大きくなる傾向があり、人によってはコンサルタント、メンターを雇い月50-100万円ほどの金額を支払っている例もある。

事業承継前の後継者はどうか?
事業承継前の後継者に関する自己投資の月額平均データを見つけることはできなかったのですが、現役の経営者と異なる点は、MBAなど長期間に渡り学ぶプログラムへの参加が多いようです。現役経営者は、会社を休んで通うのは現実的に難しいですからね。私が通っていた法政大学のMBAでも、中小企業の後継者が何人かいました。同MBAの特任講師になってから3年が経過しましたが、毎年、数名の後継者が入学してきています。書籍で学ぶといよりは、MBAや中小企業大学校の後継者研修などに参加する人が多いようです。
中規模以上の企業になると、現経営者が後継者教育のためにコンサルタントを雇い、3年間ほどの期間をかけて教育させるケースもあり、月額のコンサルティング料金は30万-100万円ほどの投資が実際に行われています。
その一方で、こんな経営者も
企業規模の小さい企業になると、後継者が民間のセミナー・経営塾に通う、あるいはコンサルタントを雇うなどの出費を現経営者(=先代経営者)に求めても、「そんなのは無駄だ」「お前は騙されている」と反対し、後継者の学びを阻害してしまう経営者が多いという事も実態としてあります。
私の父はそのような人ではありませんでしたが、私が仕事で関わる後継者の方と商談では、月30万円の経費を出してくれる経営者は殆どいません。後継者は現経営者(=先代)の顔色を伺いながら、遠慮しながら日々を過ごす。これが大方の中小企業の現状です。
中小企業経営者にとって、後継者育成というのは最も重要な課題であり、最優先事項となる投資対象なはずなのです。しかし、実態はこのように後継者の意欲をくじいてしまう経営者が多いのです。
なぜ、現経営者は後継者育成にお金を出さないのか?
私の個人的な意見、予想ですが、以下の通りです。
過去にコンサルタントを雇ったり、経営者塾に通った経験がない
経営は、自分で苦労しながら学ぶものだと思っている、自分もそうやって学んできた
経営知識・技能は、お金を払って学ぶものではない
だいたい、コンサルタントや専門家といわれる種類の人間は信用できない
後継者は、すぐに人を信じたり、騙されやすく、信用できない
後継者に限らず、そもそも、人への投資はお金の無駄だと思っている
後継者が学びによって力をつけてしまうと、自分の存在意義が揺らいでしまう
他にも、いろいろな理由が考えられると思いますが、実は#7は、本音として隠れている真実なのではないかと思います。
自己投資しない後継者も・・・
私も後継者時代は、なんでも会社経費で学んでいたわけでもなく、自分の個人負担で学ぶこともありました。本気で経営者になる覚悟があるのであれば、100万くらいは直ぐに払うと思います。後継者は、なんだかんだで、そこそこ良い給料を得ている人が多いのですが、飲み代にはホイホイお金を出す割には、学びには慎重な人も多く見かけます。
本気で成長したい、学ぶ必要があると思っている人は、自分でお金を負担してでも学びますし、お金を使わずとも学べる手段を自分で探し出すものです。
ということで、後継者、社長になったばかりの経営者の皆さん、自己投資してますか?
先代が反対したくらいで、学ぶことをあきらめないようにしてください。
あなたのたった1度しかない、大切な人生ですので。
以上、ランナーズ関根でした。
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