【実録】私が一生懸命話しても、社員の心が1ミリも動かなかった失敗
- 関根 壮至

- 21 時間前
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私が会社に入って間もない頃の話です。まだ社長でもなく、単なる後継者の一人という立場でした。当時の私は、かなり意気込んでいました。
カラフルなパワーポイントを作り、「これから会社をどうしていくのか」というビジョンを、社員に向けて語ったのです。
グローバルに事業を展開する。新しい市場に挑戦する。会社を次のステージへ進める。
今思えば、かなり熱く語っていたと思います。
しかし結果はどうだったか?
社員の反応は、ほとんどありませんでした。
拍手も、質問も、特にない。空気は静かなまま。正直に言うと、かなり肩透かしでした。
「なぜ伝わらないのだろう」
当時は、そう思ったものです。しかし今振り返ると、その理由はとてもシンプルでした。
私は、自分が話したいことだけを話していたのです。

社員は、何を聞きたいのか
経営者が語るビジョンは、どうしても抽象的になります。
会社を成長させる。新しい市場に挑戦する。業界を変える。どれも間違ってはいません。
しかし社員の立場からすると、こう感じることが多いのではないでしょうか。
「それで、私たちは何をすればいいの?」
ここが示されない限り、その話は自分事にはなりません。
私が当時やっていたのは、まさにこれでした。自分の理想や、やりたいことを一方的に語っていたのです。
しかし社員が聞きたいのは、そこではありません。
社員にとって重要なのは「現実の話」
社員にとって重要なのは、理想の話ではありません。
現実の話です。
つまり、
・どういうステップで実現するのか
・実現までのロードマップはどうなっているのか
・自分たちの仕事はどう変わるのか
こうした具体的な話です。
ここが見えなければ、社員は動きようがありません。
どんなに立派なビジョンでも、それだけでは組織は動かないのです。
社外向けメッセージと社内向けメッセージは違う
もう一つ、多くの経営者が勘違いしていることがあります。
それは、社外向けのメッセージを、そのまま社員に向けて語ってしまうことです。
社外向けのメッセージは、マーケティングの要素が強くなります。
夢や理想を語ることも必要でしょう。
社外の人は、その話を聞いて関心を寄せるかもしれません。
しかし社員は違います。
社員は、その理想を実行する立場の人たちです。
その理想を、現実にしなければならない側です。
だからこそ社員に必要なのは、カッコいいメッセージではありません。
現実的な話なのです。
プレゼンにも「外向き」と「内向き」がある
しかし多くの経営者は、ここを勘違いしています。
外向けのプレゼンのような立派なスライドを作り、気持ちよくビジョンを語る。
それで伝わった気になってしまう。しかし社員からすると、
「社長、現場のこと分かっているのかな・・・」
そう感じてしまうことも少なくありません。
まずは、そこに気づくことです。
プレゼンにも、”外向けのプレゼンと社内向けのプレゼン”
があるのです。
社員を動かすのは、理想ではなく現実
社員を動かすのは、理想ではありません。
現実です。
どこから始めるのか。どんな順番で進めるのか。何が変わるのか。
そうした具体的な話があって、はじめて社員は動き出します。
社長の言葉が届かないと感じたときは、
ビジョンが弱いのではなく、伝え方が間違っているのかもしれません。
社内に伝えるべきなのは、夢ではなく、
その夢をどう実現するのかという現実の道筋なのです。
以上、ランナーズ関根でした。
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