採用判断で自分の直感に背いた、その代償(後編)
- 関根 壮至

- 1 時間前
- 読了時間: 4分
~経営者のためのブログVol.245~
※前編「私が面接で感じた“違和感”を無視して人を採った話」はこちら

その採用判断が、私に突きつけた現実
前回、私が面接で感じた違和感を押し殺し、採用をOKしてしまった話を書きました。
あのとき、私は以下のような事を予想していました。
「こういう時の勘、だいたい当たるんだよな」「必ず問題が起きる」「所長は、1か月もしない間に”違ってました”と、おそらく言ってくる」
やっぱりな・・・。
違和感は、やがて事実になる
入社後しばらくして、現場での様子が耳に入ってくるようになりました。
・顧客対応でのトラブル
・仕事への取り組み姿勢
・細かい残業代請求
・周囲との摩擦
一つひとつは小さい。
しかし、違和感は確信に変わっていきました。
そこで本社からは、”追い込まず、丁寧に指導を行い、記録を取り、改善を求めよ”
という指示を出し続けました。
私としては、会社として逃げずに向き合ったつもりでした。
そして、裁判へ
しかし数ヶ月後、その社員は「パワハラ」を理由に訴訟を起こしました。
私は被告代表者として、地方裁判所で訴訟を起こされます。
後から分かったことですが、その社員は入社当初から会話を録音していました。
背後にユニオンがついており、過去にも同様の訴訟を起こしていた人物だったようです。
最初から、真面目に働く意思はなかったのかもしれません。
しかし、ここで大事なのはそこではありません。
問題は「誰が採用を決めたのか」
どんな事情があろうと、最終的に採用を決めたのは私です。
拠点長の強い要望があった。人手不足だった。現場は逼迫していた。
それでも、
私の直感はNOと言っていた。
私は、それの勘に背いた。
これが全てです。
経営者の直感は、感情ではない
直感というと、曖昧な感情のように聞こえます。
しかし実際は違います。
経営者の直感とは、これまでの経験、失敗、観察、違和感の蓄積です。
言語化できないだけで、脳は膨大な情報を処理しています。
私はその感覚・直観に背く意思決定を下してしまった。
「拠点長が、そこまで言うなら・・・」という理由で。
結果として、大きな代償を払うことになりました。
採用は、経営判断そのもの
採用は人事だけの仕事ではありません。
経営判断そのものです。
売上予測や投資判断と同じくらい、いや、それ以上に影響が長期に及びます。
一人の採用が、
組織の空気を変え
現場の士気を下げ
経営者の時間と精神力を奪う
こともある。
私にとって、この経験は「人を見る判断」についての大きな授業料でした。
最後に
面接に立つ経営者の方へ。
もしあなたが、
「何か引っかかる」
と感じたなら、その感覚を軽視しないでください。
人手不足より怖いのは、違和感を無視することです。
経営者の直感は、単なる感情ではありません。
それは、あなたの経験が発する警告です。
私が学んだのは、「自分の直感に逆らわない」という、とてもシンプルなことでした。
この話の発端は、前編で書いた“あの面接”から始まりました。
まだお読みでない方は、ぜひ前編からご覧ください。
以上、ランナーズ関根でした。
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[題目] 「報酬」だけが人的投資ではない。中小企業こそ「機会」を渡せ!
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登壇者同士による質疑応答、視聴者との質疑応答を通じて、中小企業経営者が現場で直面する「人材・組織」に関する課題について、多角的に掘り下げます。
※経済産業省ページへのリンクです。

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