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  • 執筆者の写真Takeshi Sekine

会社のあるべき姿、どうやって決めてますか?

 どこまで規模を拡大させるか?年商〇〇〇億円、あるいは上場という目標を掲げる人もいるでしょう。会社は規模が大きければ大きい程良い、というわけではなく会社によってあるべき姿や規模は異なります。今回は、会社のあるべき姿に関するお話をしてみたいと思います。



私が継いだ会社について

 2018年3月、私はそれまで父(創業者)が経営していた会社を二代目社長として継承しました。継いだ時点で50年を超える歴史があり年商約50億、社員数は350名程の規模で全国に拠点がありました。事業内容は、水道関連のパイプや水道管に取り付ける特殊な部品などを製造・販売するメーカーであり、他社にはない画期的な製品を生み出すことに強みを持った個性的な企業でした。


私の記憶では幼かったころ、自宅の一角に事務所があり数名の職人さんたちが毎日のように現場帰りにお茶を飲み、煙草を吸う感じで、その部屋だけいつも空気が真っ白だった記憶があります。そんな会社が、徐々に勢力を拡大し私が社会人になるころには全国に支店を持つような会社になっていました。


父から聞いた話として、その昔、日本全国でインフラ整備で莫大な公共投資が行われ、土建業の会社を営む社長さんたちはリッチな人が多かったようです。父は、そんな世界にあこがれて大学卒業後、設備関連の会社へ就職し、4-5年働いた時点で、このまま1社員としてやっていくことが馬鹿らしくなり、起業したと聞かされています。70歳以上の社長さんとお会いしますと、同じような起業の経緯を聞く事があり、昔は金持ちになりたい、豊かになりたいという欲求から起業した人たちも多かったようです。


高校、大学と私が成長する過程で、父からは時々会社へ連れていかれ、こんな設備を買った!とか、こんな車両を買った!特許が取れた!というような話を聞かされていました。自分は全く会社経営に興味がない子供だったので「ふぅーん」みたいな感じで当時は聞いていました。また、具体的に〇〇億円の売上だという数字も聞かされており、父は全国を制覇して年商100億の会社を創る事が目標だったと記憶しています。100億まではいきませんでしたが、小さな配管工事会社からスタートして世代交代する時には50億までの売上がありましたので目標の半分までは届いていたことになります。これは、すごい成果だと思います。相当にリスクを取った投資もやっていました。普通の人では出来ないような経営判断で一気に投資して他社を引き離す戦略でした。なかなかデキることではないです。父はすごい経営者でした。


ただ途中から、父はホテル事業を買収したり、新たに葬儀事業を始めるなど本業とはシナジーが見込めない事業を始めたのです。それまで背骨が一本通った会社だったものが、徐々に何屋なのか分からない会社に変わって行き、あるべき姿を見失っているように私には見えていました。そんな最中に私は会社を継いでいます。


では、後を継いだ私が社長になってどういう目標を立てかというと、まずはトップダウンで経営されてきたスタイルから脱却し、社員が力を合わせて会社を運営していく会社を目指しました。ただし100億というような大きな数値目標を掲げることはなく、まずは会社の社風を変えていく事が先だと考えていました。100億、1,000億というような数値を目標するイメージを私自身は全く持っていなかったんですね。


なぜなら、業界の中でどのような貢献ができるのか未だ明確なイメージがなかったからです。しかし、決めていたことは「課題解決型の企業」「ものつくりで強みを発揮できる企業」の特徴(=らしさ)は変えずに経営しようと思っていました。加えて「全員が経営に参加する会社」となり、この3要素が、最初に私が考えた会社のあるべき姿でした。さらに「うちの会社らしさって何?」ということをずっと考え続けていました。


今一度、会社の背骨となるものを探していたのです。そうこうしている間に、親族内騒動に巻き込まれ私は会社を去ることになったのでした。




会社は規模が大きければ良いのか?

 昭和生まれの経営者さんは、規模拡大を目標に掲げている人が多いのですが、私の友人でアトツギ経営者の中には、この規模拡大に一線を引いて「らしさ」を追求し素晴らしい経営をされている経営者が2名います。


マルナオ http://www.marunao.com/


両社とも中小企業ですが著名な会社なのでご存じの方も多いのではないでしょうか?

共通点は、昔から続く伝統技法があり、それを守りつつ「らしさ」を守っていく経営方針であり、守りながら「新しいものを生む」という事も成し遂げています。そして両社ともに生産キャパシティに限界があり生産量は増やせない。こだわりが強く、品質を落としてまで、「らさしを捨ててまで規模拡大は追わない」ということを決めているので安易に商品を増やしたり、儲かるおいしい話に飛びつくようなことは絶対にしません。


支持してくれる顧客を裏切ることなく、愚直に顧客の期待に応えていく手堅い経営をされている会社です。先日もマルナオの社長と会ったときに名言していましたが、自分がやりたいのは「会社を残すこと」と話していました。飯尾醸造の後継者も同じようなことを過去に話していました。二人ともセンスが良く、アイデアマンであることも共通しています。


起業家と後継者の違いですが、ゼロから会社を作っていくのか、過去からの「らしさ」を受け継いでいくのかという大きな違いがあります。後継者であれば、社長になったら「何をやってもいい」という考え方はかなり危険です。受け継ぐべきもの、守るべき「らしさ」を見失いうと経営はうまくいかないでしょう。




まとめ

 今回のブログでお伝えしたかったのは、規模拡大だけが目標ではなく「らしさ」というものを追求していくことの方が大切だ。。。という事です。

規模だけの成長を望むのは、下手すると経営者の個人的な野心、自己満足を満たすだけの目標だけでしかない場合もあります。売上は目指すべき目標をかなえるための手段という考え方もあるので、あるべき姿を考える際には「らしさ」の追求を考えてみてください。



以上


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