top of page
検索

会社の業績、社員に細かく公開すべきか?!

執筆者の写真: Takeshi SekineTakeshi Sekine

 受注・売上情報だけを営業部門で共有している会社は多い。 しかしながら、決算情報を全社員へ公開する中小企業、特にファミリービジネスでは少ないのではないでしょうか?今回は、私が後を継いだ会社がどうだったのか?、公開することのメリット、デメリットについて書いてみます。



私が後を継いだ会社では...

 私が後を継いだファミリービジネスでは、入社した当初は殆ど業績について社員へ公開されている事はなく、何となく噂で今年は良かったよ、悪かったよ、という話が広まっていました。唯一、社員が業績について知り得る術としては、社長(私の父)が年2回の賞与支給日に演説を行う機会があり、そこで大まかな売上が話され、その情報が口コミで社内で広がるような感じでした。


私は役員でしたので当然のように決算書類は見ておりましたが、最初は決算書の読み方すらよくわかっておらず、赤字でなければ私自身もあまり損益には関心がなかったというのが実態でした。


しかし、徐々に経営の仕事に関わるようになり会社の実態が理解できるようになると、段々と損益に関する関心が沸いてきました。この会社、これだけ素晴らしいビジネスモデルを持ちながら、かなりの利益を取りこぼしている。。。もったいない。

こんな感情を持ち始め、同時に原価管理が殆ど機能していない事も気づきました。


そこで、入社してから5-6年目頃だったと思いますが、社員にも月次の大まかな損益を公開するようになり、最終的には詳細な数値も管理職にはデータで公開するようにしました。一般社員には、取締役会の議事録内で月次決算の概要を解説と併せて公開するようにしていました。



業績情報を公開するメリットは?

 基本的に私は業績情報を社内で公開することについては、メリットしかないと考えている人間です。デメリットはあまり感じたことがないですね。隠しても意味ないので。


では、具体的にメリットを解説していきます。

私が経営者として感じていたメリットは以下の通りです。


  1. 社員が会社の経営に関心を持つようになる

  2. 経営の透明性が高まり、経営層も好き勝手できないような抑止力が働く

  3. 数値を扱う社員が増えることで、社員の能力が上がってくる

  4. 数値を基に仕事するようになるので、原価管理の不備など問題に気付く社員が増える

  5. 原価管理を強化する際、社員が既に問題意識を持っているので改革を進めやすい

  6. 感情や憶測による言い争いが減り、数値に基づく話し合いが増える

  7. 会社全体の目標、成果の振り返りが数値で行われるので、社員の納得感が高まる

  8. 部門別の貢献度も明確になるため、現場へ健全なプレッシャーがかかる


列挙しましたが、インパクトが大きのは社員の能力が鍛えられること、社員の納得感が高まる事がメリットとしては大きいと思います。


中小企業では、どうしても数値を見る人、扱う人が少数で現場まで公開されていません。私からすると、もっと公開して社員に数値を有効活用する機会と権限を与えるべきと思うのですが、中小企業の社長さんは、なぜか公開しない人が多いです。




業績情報を公開するデメリットは?

 書きました通り、私自身は全くデメリットを感じたことはありません。なので以下、推測でデメリットを書いてみます。


  1. 経営者の失策(新規事業などに因る損失)が明るみになってしまう

  2. 創業家の人だけが役員だった場合、高額な役員報酬が明るみになり都合が悪い

  3. 好業績だった場合でも、人件費を抑えたい場合に難しくなる

  4. 役員が使用している接待費など経費が高額だった場合、都合が悪い

  5. 株式の配当を受け取っている場合、その額が高額だと社員から不満が出る

  6. 競合他社など社外へ情報が漏洩するリスクがある(これは確かにマズイです)

うーん、分かりません。こんな感じでしょうか?

要は、社員にバレたくないお金の使い方をしていると公開したくないのかも。。。


読者の皆さんは、どう感じられますか?

お勤めの会社では、会社の業績を細かく開示してくれています?




会社の改善は、数値を根拠に行わないと意味がない

 私はこう考えているんです。数値で会話していない会社は良くならない。


経営者が社員に「経費をもっと削減しろ!」と叫ぶ。

でも、社員からすると何の経費が高いのか分からない。仕方なく、自分たちの持ち場の中で出来そうな改善を盲目的にやるしかない。これでは、納得感も得られないですよね。


経営で問題が生じている場合、必ず何等かの数値で現れているハズなんです。特に製造業の場合は、製造原価報告書の中身が重要です。非製造部門であれば、一般管理費の中身、あるいは商談の受注率、案件の利益率など、決算書以外の数値も重要です。


DX化が叫ばれる現代ですが、社員へ十分な情報と情報を扱う権限を適切に与えなければ、DX化投資をやっても、全く意味がないと私は考えています。



後継者の方であれば、数値の開示について有効に活用できているか点検してみてください。

社員の納得感を高めること、そして社員のスキルを高めるために経営情報の開示は必須なはずです。



以上


アトツギ相談室はじめました。


詳細はバナーをクリック↓してください。



 
 
 

Comments


© Runners Corporation 2025

​ランナーズ株式会社

​〒113-0033 東京都文京区本郷1丁目33-4

UP BASE水道橋 301

  • X
  • Facebook
  • note

         090-4591-4435

電話受付時間 9:00 - 18:00 (月~金)

WEBからのお問合せは24時間受付け

bottom of page