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安易な自社株買いはもう評価されない──日本企業に求められる“本当の成長投資”とは

経営者のためのブログ Vol.231


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これまで日本の株式市場では、「増配」「自社株買い」は**株価を押し上げる“即効薬”**として扱われてきました。しかし最近、この常識が崩れ始めています。


象徴的な事例として挙げられるのが、超優良企業である キーエンス の動きです。


同社は高い利益率を誇り、直販モデルによる独自の収益構造で知られています。そんなキーエンスが 増配を発表。当然、市場は好感するだろう…と思いきや、結果は 株価反落 でした。


なぜ、これほどの優良企業が増配をしても株価が上がらないのでしょうか?





投資家は「成長を生む投資」を見ている

新聞報道によると、投資家が今回の自社株買いを評価しなかった理由は明確でした。

稼いだ利益を、新しい利益を生むための投資に回していない。「とりあえず増配しておけば良い」という姿勢だと判断された。

つまり、企業には、利益の使い道についての“戦略性”が求められる時代に入ったということ。


欧米では以前から、

  • 数字合わせの自社株買い

  • 企業価値向上への努力を怠った増配


こうした施策は評価されません。株価を維持するためだけの施策は、市場からむしろ“逃げ”と見なされるのです。日本も、ようやくこの潮流になってきたのかもしれませんね。


参考記事(日経新聞 2025/11/18朝刊より)https://www.nikkei.com/article/DGKKZO92650130X11C25A1DTC000/





上場企業は投資家の目があるが、非上場企業はどうか

上場企業の場合、投資家(株主)の目が常に光っています。放漫経営に走れば、すぐに株価が下落します。


一方で、非上場の同族企業は事情が異なります。オーナーと経営が一体であることが多く、極端な話、業績が多少悪くても「配当だけは出す」ことも可能です。創業家の生活費のために、利益を振り向けることもできてしまいます。


しかし、この姿勢では企業の未来は守れません。


短期的には創業家の生活を支えられても、中長期的には企業体力が削られ、競争力を失っていきます。





だからこそ、非上場企業こそ「成長投資」が必要

企業が未来に向けて成長していくために必要なのは、配当の大きさではありません。

利益をどれだけ 未来への投資 に回せるかです。


たとえば、

  • 新規事業開発

  • 生産設備への投資

  • 営業力・マーケティング力の強化

  • デジタル化・効率化

  • 幹部育成・組織づくり

  • 採用・人材投資



こうした投資が長期的な企業価値をつくり、最終的には社員や顧客、取引先、そして創業家自身を守ります。


“利益をどう使うか”は、経営者の姿勢そのもの。非上場企業こそ、上場企業と同じ視点で、戦略的に利益を未来へ投じる必要があるのではないでしょうか?




経営者にとっての「利益」とは何か?

利益は、経営者の報酬でも、配当原資でもありません。


利益とは、**企業が未来を切り拓くために残す“エネルギー”**です。このエネルギーをどこに投じるのか。それこそが経営そのものです。

企業価値を高める努力をし、未来の成長につながる意思決定を行う経営者が、時代に評価されていく。


今回のキーエンスの例は、そんな「健全な市場への移行」を象徴しているのではないでしょうか。





以上、ランナーズ関根でした。




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