なぜ“ゼロ→1”の経験が、経営者を強くするのか?
- 関根 壮至

- 1 日前
- 読了時間: 4分
経営者のためのブログ Vol.230
~安定の中にいる社長こそ、あえてゼロから挑むべき理由~
経営者は、しばしば「安定した基盤の上で経営をしている」と思われがちです。しかし、経営という仕事の本質は、安定の上にはありません。
何もないところから形をつくる――“ゼロ→1”の経験こそが、経営者を強くする。
起業家は必ず、この過程を通ります。顧客ゼロ、信用ゼロ、実績ゼロの状態から、ひとつひとつ積み上げていく。その苦しみが、彼らを経営者として鍛え上げます。
では、後継社長や既存の会社を引き継ぐ社長はどうでしょうか?
両方経験した私としては、経営者であるならば、意識してこの“苦しみ”を経験した方がいいのではないかと思います。

起業家が最初に向き合う「ゼロの現実」
起業とは、極端に言えば“何も持たずに戦場に立つ”ということです。
顧客はいない
信用はない
社員も仲間も少ない
売上ゼロからのスタート
最初の1人に買ってもらうまでの道のりは、想像以上に険しい。商品やサービスを考えることよりも、それを「必要だ」と思ってもらえるまでの距離が、とにかく長い。
この生々しい現実に耐え、それでも試行錯誤を続けた人だけが、本当の意味での経営センスを身につけます。
ゼロ→1は、経営者を“本物”にする試練ではないかと私は思います。
後継社長や既存事業の経営者が抱える「見えない弱点」
逆に、会社を引き継いだ経営者は、最初から恵まれた状態で経営をスタートできます。
既に顧客がいる
売上がある
社員がいる
ブランドもある
これは大きな強みである一方、ゼロ→1の経験がないことで、経営者として最重要の筋肉(事業を生み出す筋肉)が鍛えられない という弱点にもなります。
だから、困難に直面したとき、“守りの経営”に入りやすい。挑戦よりも、減点されない選択をしがちになる。
安定はありがたい。しかし、安定は“依存”や“慢心”に変わりやすいのです。
新規事業こそ、ゼロ→1を疑似体験できる最高の学びの場
だからこそ、後継社長や既存事業のトップこそ、新規事業という「小さなゼロ→1」に挑むべきです。
新しいアイデアを思いつくことは簡単です。しかし、それを実際に形にし、お金を払ってくれる顧客を生み出すことは、どれだけ経験を積んだ経営者であっても難しい。
誰がターゲットになるのか
初期顧客はどこにいるのか
何にお金を払いたいのか
どう伝えると刺さるのか
事業として成立するのか
このすべてが“ゼロの状態”から始まる。
これこそが、経営者にとって最強の鍛錬です。
生みの苦しみを経験した経営者は、強い
ゼロ→1を経験した人は、必ず強くなります。
顧客がいない恐怖
売上ゼロが続く焦り
何が正解か分からない不安
誰にも理解されない孤独
それでも動き続ける覚悟
これらをくぐり抜けた人は、「会社を伸ばすとはどういうことか」を本能的に理解します。
だからこそ、強い。
困難に出会っても折れない。変化に強く、スピードがあり、しなやかさがある。“自分の手で未来をつくる”筋力を持っている。ゼロ→1の経験は、経営者に最高の武器を与えます。
まとめ
なぜ“ゼロ→1”の経験が経営者を強くするのか?その答えは、とてもシンプルです。
何もないところから価値を生み、お金を払ってくれる顧客をつくり、事業として成立させる力。
この力こそが、経営者の本質だから。
起業家は強くなる
後継社長も、新規事業でその力を手に入れられる
ゼロからの挑戦は、経営者としての筋肉を鍛える最高の経験
安定の中にいる社長こそ、あえてゼロに飛び込むべきです。
その経験が、あなたの経営を、未来を、そして人生を強くしてくれます。
以上、ランナーズ関根でした。
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