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  • 執筆者の写真Takeshi Sekine

問題処理方法と社風の関係

 皆さんにとって理想の社風とはどんなイメージでしょうか?社員が生き生き働き、業績がグングン伸びている組織?今回は、企業で問題が生じた場合の対処方法と社風に関するお話です。



私が過去に努めた会社の社風について

 大学卒業後、最初に勤めた会社では創業社長が70歳を過ぎても現役バリバリの会社で、工場勤務以外の社員は30名程だったと記憶しています。アトツギの息子さんもいらっしゃいましたが、当時、50歳を過ぎていましたが実態としては殆ど権限がなく、社長の言いなりのような状況でした。何か問題が生じると解決策を話し合う前に「誰がやった!」という責任追及がまず行われ、災厄の場合は「クビ」という恐怖政治に近いような雰囲気であったため、誰一人、社長に意見を述べる人はいないような会社でした。 2社目は、複数の大企業が共同出資する会社で最大株主は某電力会社でした。この会社では、ストレートに書くと寄せ集めの所帯であったため、問題が生じても責任を擦り付け合う組織間の綱引きのようなものが存在し、何とも不思議な雰囲気の会社でした。社風というよりは、組織の親方がどの会社から出向しているかで雰囲気が異なるような不思議な会社でした。私が所属していた部署の親方は、大手総合商社から出向してきた方で何となく大手商社のような社風であり、問題が生じた際の対処は、責任追及もされますが、速やかに上司がアドバイスをくれたり面倒を見てもらえる恵まれた環境ではありました。


3社目はGAFAMの一角をなすグローバル企業で、問題が生じた場合「お前、何やってんだ!」の前に速やかに問題を解決するための原因追究が話し合われ、最速で問題を解決させることに上司部下が協力しあえるような社風でした。そもそも、問題を起こすような社員も少なく、結果を出せないと会社の中で存続できない外資特有の雰囲気があるため、多くの社員が全速力で働いていました。でも仕事ができない人に対しては、風当たりが強い社風でもあり非難されるというよりは、放置されるという...それまで経験した事がない怖さもありました。全ては自己責任であり、自分の戦闘力を高めていけないと居づらくなる風土があり楽しい反面、厳しさを感じさせる会社でした。


4社目は家業です。田舎の中小企業としてはかなり大きい会社で社員数は300名を超えていましたが、私が入社した当時は社長だった父を中心にすべてが回っている会社で、問題が生じると社長が直接怒るようなことは少なかったですが、中間管理職の人たちがかなりピリピリしていて「何やってんだ!!!」という怒号が聞こえていました。また事業部が異なると責任の押し付け合い、あるいはできる限り関与したくないという雰囲気があり、社員は黙々と目の前の仕事をこなしていくような社風でした。社員から聞かされた話として、一度でも社長からダメ社員というレッテルを張られると容易には復活できず、失敗が許されない緊張感が常にあり失敗する或いは問題が生じる可能性があることには関わらない、、、という話を聞かされました。


ここまで4社を経験して感じたことですが、社内で問題が生じた場合の対処方法で社風が全然違うという事です。会社規模が小さい企業であれば、色濃く経営者の性格が社風に影響を及ぼします。大企業であれば、中間管理職の問題対処に対するスタイルで雰囲気が醸成されているようです。


つまり、問題が生じた場合に組織の責任者が叱責から始めるか、問題解決を優先するかで組織の雰囲気が大きく異なるということです。言い換えるなら、組織の雰囲気は責任者の問題対処のスタイルで変わると言ってい良いのかもしれません。怒り方かな?





社内の流通ワード・情報でわかる社風

 現在はメール、チャットなどの内容を分析してどのような単語が頻繁に利用されているかわかるツールもたくさんあると思いますが、これらを使うことでもおよその社風が分かると思います。犯人探しから問題対処が始まる会社では、おそらく「責任」「責任者」「許可」「承認」「処分」「規則」「規定」みたいな単語が多く流通しているのではないでしょうか?


一方で、問題解決を優先する会社であれば「お客様」「原因」「初期対応」「迅速」「解決策」「ベスト」といった単語が流通しているかもしれません。


流通している情報からもわかります。

全社的にメールなどで注意喚起を促したり、失敗事例などを見せしめの如く共有する会社もあります。基本ネガティブな情報を共有する習慣のある会社。

反対にベストプラクティス、ちょっとした成果を上げた社員を称賛する、あるいは感謝の気持ちを上長が広範囲なメールで伝えるような習慣のある会社は勢いがあって活発的に情報交換を社員同士でも行っている会社。


どっちが、どんな社風になるか大体予想就きますよね?



席の配置も影響がある

 最近はフリーアドレスも増えていて、ザ・昭和の日本企業のような座席配置は少なくなってきていますが、中小企業では今でも上長が部下と90度の角度で部下を見渡せるように机を置いている企業はたくさんあります。あれって不思議ですよね。日本独特なのか分かりませんが、席の配置でもなんとなく会社の雰囲気はわかりますよね。私はマイクロソフト時代の席が一番良かったですね。広めのデスクに低い高さのパーティションがある。上司は90度の向きで机を配置しておらず、部下と同じ向きに座っている。低いパーティションがあり、デスクで集中したいときは周囲を気にすせず仕事に没頭できるし、周囲の人と話したいときもパーティションが邪魔することはなかった。とても居心地のよいデスクでした。

私のお勧めは、上司部下が同じ方向を向いてデスクを配置することです。90度の配置は威圧感があって個人的にはあまり好きじゃないですね。もちろんフリーアドレスでもOKです。




社風を変えたいなら、責任追及の前に問題解決

 これに尽きると思います。中小企業、小規模企業であればトップである社長が責任追及型か問題解決優先型かで全く社風が変わってきます。


責任追及型の会社というは、結局は上司が部下に対して怒りをぶちまけているにしか過ぎない。顧客にとっては何の意味もないことなのです。責任追及型の会社の特徴として、上席が手ぶら(=解決策なし)で頭を下げに来ることです。無駄ではないが顧客側としては何の意味もない。顧客は上席のお詫びではなく、末席の担当者でも構わないので問題を早急に解決してくれることの方がよほどありがたいのです。責任追及型の企業は、そのことをわかっていない会社が多いような気がします。


ここを変えない限り、他にいかなることをやっても社風を前向きで活発なものへ変化されることは難しいでしょう。心理的安全性を担保する上でも、責任追及型の社風を変えなければ社員が仕事に打ち込めないと思います。



という事で社風を変える最初の一歩は、中小企業の社長であれば社長自身が責任追及型になっていないかを自己診断し、もしその傾向があるなら変化させていくことです。


火を噴いている状況で社員をとっちてめても何の解決にもならないんです。顧客もそんなことを望んではいない。ただ解決してほしいだけです。





以上、ランナーズ関根でした。



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@runners_corp


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