「サービス業での苦労話②」

更新日:1月25日






ホテル事業での苦い経験、その②をご紹介します。


【立ちはだかる壁】

1回目で書きましたように、巨大な施設であり従業員は100名を超えています。しかも、もともと公営で経営されていたためスタッフは「儲け」を生み出すという感覚が希薄な人ばかりです。追う数字は、「何人の利用者」という指標のみで採算性は一切考慮されていません。なので、施策の殆どが血を流す「安売り」に徹している状況でした。また、公営事業というのは「民業圧迫してはならない」という大前提があり、そもそも、経営が成り立たないような立地に事業を起こします。なので、普通に経営を引継いで即黒字化するような事業ではありませんでした。更に、施設が立地しているエリアは「ラムサール条約」という自然保護区域内に入っており、開発行為はできない。更に、更に、立地するエリアが市街化調整区域というエリアに入っており、「用途制限」という厄介な規制が適用されていました。


これは、「許可された営業目的用途以外の開発行為を一切やってはいけない」

「業態から外れた商業行為を行ってはいけない」という、かなり厳しい規制でした。

具体的な例を挙げますと、ちょっとしたプレファブ小屋を建設するにも、毎度、役所に許可をもらう必要があり、かなり渋られるのです。。。なので、思い切った事が出来ない、ガンジガラメの状態でした。


巨額の赤字は垂れ流す、スタッフに商売の感覚がまるでない、施設は老朽化が著しく修繕が必要、追い打ちは、会社が施設を取得した後、無謀にも億を超える追加投資を行い、高額の減価償却を背負った状態でした。またエネルギー関連の設備も環境配慮を優先した特殊なボイラーが補助金で導入されており、経済的メリットがほとんどないにも関わらず、そのボイラーを無理やり利用しないといけないという、これでもか!という条件が揃ってのスタートでした。


普通の人なら、この状況であれば、まず経営再建の仕事は引き受けないでしょう。私がバカだったのです。


【最初に困ったこと】

とにもかくにも、私自身がサービス業、ホテル業というビジネスを全く知らないため、何を経営指標として追っていけばいいのか、全くわかりませんでした。また、過去の経営データは公営時代のレポートですので、一般企業とは会計ルールが異なっており、経営の実態を把握するのにかなり苦労しました。


また組織面ですが、スタッフのまとまりがなく、誰もが「厄介事には巻き込まれたくない」という姿勢で徹底していました。スタッフ内にホテル経営に詳しい人は皆無で、相談できる相手はいません。


もし、あなたがこの状況だったら、どうしますか?


幸いなことに、というか、無知だったので私自身は当初、それ程の精神的なダメージは受けていませんでした。今にして思えば「無知」とは怖いものだとつくづく思います。


要するに、最初に困ったのは「経営実態がつかめない、組織のまとまりがない、相談相手がいない」この3点だったと思います。


さて、何から始めるか。。。



最初は何も分からなかったので、とにかくデータを調べ続けました。しかし、これがいけなかった。本来であればデータ分析だけでなく、現場のメンバーと早期に人間関係を構築すべきでした。サービス業は人が商品です。働く人たちが快適に働ける環境でなければ、何をやっても上手くいかない。これは、もう少し後に気づくことなんですが、着任直後、自室にこもってとにかくPCに向かい続けました。


しかし、この行動がスタッフの人たちには「あいつ、何やってんだ?」という反応になっていくのです。結果として、自分から更に状況を悪化させることを続けていました。半年くらいは、この状態だったと思います。


完全にスタッフと私の間には、壁ができてしまい、心の通う会話は全くできていませんでした。しかし、スタッフは表面上は自然に接してきます。さすが接客業。こっちは、一切、不自然さに気づいていません。


この後、いろんな事を始めるわけですが、まー、うまくいきません。

全ては、この最初の失敗が大きなダメージとなりました。





次週に続く。


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