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「人件費は削れる」と思っている経営者が、実は最も多くのお金を失っている

経営者のためのブログ Vol.262



会社を伸ばしている経営者に共通していることがあります。


人への投資を、躊躇なく行っている。


良い働きをする社員には報いる。外部の専門家を使うときは、その価値に見合った対価を払う。こういった判断を、迷わずできる経営者の会社は、着実に成長しています。


一方で、少しでも人件費を抑えようとする経営者の会社では、社員のモチベーションが上がらない。給料以上の成果を出そうという意欲が湧かない。その結果、「うちの社員は能力が低い」と嘆く経営者を、コンサルタントとして現場で何度も見てきました。


原因は社員だけにあるのではありません。経営者が人的投資をしないから、社員が動かないのです。






■ 社員は、経営者をよく見ている


人件費をケチっている経営者の下で働く社員は、社長のことを実によく観察しています。


頑張っても報われない。結果を出しても、お金で返ってくることはない。社員はそれを、言葉ではなく経営者の行動から学んでいきます。


そうなると、どうなるか。


「まじめにやるだけ損だ」という計算が社員の中で働き始めます。指示されたことはこなす。でも、それ以上はやらない。何か問題が起きても、言い訳をして自分の責任範囲を守ろうとする。のらりくらりとした動きが増え、組織全体が停滞していく。


こういう現場を見た経営者は、「うちの社員は能力が低い」「やる気がない」と嘆きます。

でも違います。社員が悪いのではありません。投資しない経営者の下では、社員が本気を出す理由がないのです。


人は、自分が大切にされていると感じる環境で初めて、本気を出します。給与というのは、その最もわかりやすいシグナルです。「あなたの仕事には、これだけの価値がある」というメッセージを、お金という形で伝える。それが人的投資の本質です。


逆に言えば、社員への投資を始めた瞬間から、組織の雰囲気が変わる可能性はある。「この会社は、本気でやれば報われる」という感覚が広がると、社員の動き方はまったく変わります。






■ コンサルタントへの投資も、同じ話です


コンサルティングの料金についても、まったく同じことが言えます。


「安いに越したことはない」——この考え方自体は間違っていません。でも、度を越した買い叩きのような交渉は、コンサルタントのやる気を削ぎます。


私自身、コンサルタントとして現場に立っています。私がお客様に提供しているのは、時間の短縮と、そのお客様が持っていないノウハウです。専門的な知見と経験に投資するという話であり、誰でもできる作業を発注するのとは根本的に違います。


これを「コスト」として見るか「投資」として見るかで、経営者としての判断がまったく変わってきます。






■ 安価な契約ほど、成果が出ない


現場で繰り返し目にするパターンがあります。


安価な契約を望むお客様のプロジェクトほど、熱量が低い。こちらの助言を実行しようとしない。「損しても許される金額範囲内で」という感覚でコンサルを使うので、本気で取り組まない。


その結果、十分な成果が得られない。そして「コンサルタントが駄目だった」という不満だけが残り、本当に無駄な時間とコストだけが消費されて終わる。


このパターンは、決してコンサルタントの質の問題だけではありません。お客様自身の「投資に対する覚悟」の問題でもあります。


安いフィットネスジムに加入している人は、だいたいお金だけ払ってろくに通っていない。一方、パーソナルトレーナーをつけて高いお金を払っている人は、一生懸命トレーニングしている。投資の大きさが、本気度を決める。これは経営の現場でも同じことが起きています。






■ 「安いコンサル」にも注意が必要だ


ここで一つ、経営者に知っておいてほしいことがあります。


コンサルタント側にも、問題がある場合があります。


安い案件をたくさん受注して、数で儲けようとするコンサルタントがいます。一件あたりの単価を下げて、件数をこなす。一見、経営者にとって「お、安くていいじゃん」と思えるかもしれません。


でも、そういうコンサルタントは、一件一件のプロジェクトに本気で向き合えません。時間も思考も分散しているから、深いところまで踏み込めない、踏み込まない。値段相応の結果が出ればまだいい方で、お金だけ使わされて何の成果もないということの方が多いはずです。


本気で投資する覚悟がある経営者に対して、コンサルタントも全力で結果を出しに動きます。「この経営者は本気だ」と感じるプロジェクトには、自然と力が入る。逆に、値切られた案件に同じ熱量を注ぎ続けることは、正直難しい。


コンサルタントを選ぶときは、価格だけで判断しないでください。安さを売りにしているコンサルタントには、それなりの理由があります。





■ 覚悟を決めて投資し、本気で取り組む


本気で会社を伸ばしたいなら、投資の腹をくくってください。


社員に対しても、外部の専門家に対しても。覚悟を決めて投資し、本気でプロジェクトに取り組み、投資以上のリターンを得る。この姿勢でコンサルタントを使ってほしいと、現場の立場から率直にお伝えしたいです。


「損してもいいか」という程度の支出しかしない会社は、それに見合った成果しか得られません。社員にも投資、外部リソースにも投資。この視点を持てる経営者が、会社を本当に伸ばしていきます。





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経営者のためのブログ Vol.262

ランナーズ株式会社 関根壮至

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