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自社株の評価が変わるかもしれない。経営者が今すぐ知っておくべきこと

5 分前
読了時間: 5分

経営者のためのブログ Vol.264

※ 本記事は2026年8月時点の検討段階の情報にもとづいています。制度はまだ確定していません。税額の計算や個別の判断は顧問税理士にご相談ください。




「自社株がいくらか、知っていますか?」


こう聞かれて、即答できる経営者はどのくらいいるでしょうか。多くの経営者が、自社株の評価額を把握しないまま経営を続けているはずです。


でも今、この問いがかつてないほど重要になっています。

今回ばかりは、無視できないです。


2026年4月、国税庁は「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」を設置しました。8月20日に開催された第5回会議では、評価見直しのたたき台が初めて示されました。昭和39年の通達制定以来、最大級の見直しになる可能性があります。





■ なぜ今、見直しが始まったのか


きっかけは2024年11月の会計検査院の指摘です。


相続税の申告1,600件を調べた結果、会社の規模が大きいほど株価が安く評価されているという事実が明らかになりました。大会社では純資産価額の0.32倍、中会社で0.50倍、小会社で0.61倍——つまり大会社ほど「本当の純資産の3分の1」でしか評価されていなかった。


同じ財産を相続しても、規模区分の違いだけで税負担が大きく変わる。これは公平ではないという指摘です。


節税封じというより、公平性の立て直し——これが今回の見直しの出発点です。






■ 何が変わろうとしているのか


現行のルールでは、自社株の評価を下げる要素が複数ありました。上場企業と比べた3〜5割引き、無配当による評価圧縮、規模区分による割引、含み益の37%控除などなど。

これらが組み合わさることで、実態よりも低い評価額になっていた会社が多かったのです。


国税庁が示したたたき台では、これらの圧縮要素を廃止し、新しい計算式を導入する方向性が示されています。


なぜ、ここまで中小企業を狙い撃ちするんでしょうね・・・本当に解せませんが、文句言っても御上の決めることなので、対処するしかないのですが。





新しい評価の考え方は「純資産+稼ぐ力」です。


株価=決算書の純資産(簿価)+純資産に見合う利益を超えた分×5年分


たとえば純資産10億円・利益1.4億円の会社の場合、現行ルールでは評価額が約4.1億円だったものが、新しい案では約12.9億円——およそ3倍になる可能性があります。


ただし、これはあくまで試算です。7%という期待利益率も5年という年数も、まだ確定していません。倍率は2.2倍〜3.4倍の幅があると見られており、最終的な数字は今後の議論次第です。






■ 影響が大きい会社と、そうでない会社


全社一律に評価が上がるわけではありません。


影響が大きくなりやすいのは、純資産が厚い会社、利益が安定して高い会社、これまで割引で評価が圧縮されてきた会社です。長年内部留保を積み上げてきた、いわゆる「優良な中小企業」ほど影響が大きくなる可能性があります。


なぜ?真面目に頑張って稼いでいる会社が・・・



逆に、赤字や低収益の会社、含み益が大きい会社(土地・有価証券の含み益が評価から外れる方向)、資産管理会社などは影響が限定的か、むしろ評価が下がるケースもあります。


自社がどちらの類型に近いかを把握することが、最初のステップです。






■ 「税金の話」ではなく「経営の話」として捉えてほしい


この問題を後継者個人の税金の話として捉えると、本質を間違えます。


自社株の評価が上がれば、後継者が用意しなければならない現金も増えます。その現金を会社の資金から配当や自社株買いでまかなえば、設備投資や採用に回すはずの現金が減る。承継の選択肢として、親族内承継か、従業員承継か、M&Aか、見直す必要が出てくるかもしれません。


評価額の問題ではなく、後継者・会社・株主の「資金手当て」の問題なのです。

これは、経営の議題として扱ってください。






■ 直前の節税策も効きにくくなる方向


これまでよく使われてきた評価圧縮の手法、例えば役員退職金や臨時損失による一時的な利益調整、子会社や持株会社への資産移転、無議決権株式や株主分散による評価方式の変更などなど、、、これらについても、効果が弱まる方向で検討が進んでいます。


「直前の対策」ではなく、数年かけた承継設計が必要になってきます。本当に、困った話です。





■ スケジュールと、今やるべきこと


現時点でのスケジュール見通しはこうなっています。


2026年12月に税制改正大綱で骨格が見える見込み、2027年9月30日が特例承継計画の提出期限(別制度・確定)、2027年12月31日が事業承継税制特例措置の期限(別制度・確定)、2028年1月以降に新ルール適用開始(見通し・未確定)。


今やるべきことは4つです。


一つ目は「今の自社の状態を知る」こと。現行ルールで自社株がいくらか把握することから。多くの会社が、この数字を知らないまま経営しています。


二つ目は「新しい案でも試算する」こと。純資産と利益から、2.2倍〜3.4倍という幅で概算してみる。一つの数字ではなく、幅で持っておくことが大切です。


三つ目は「承継の方針を決める」こと。誰に、いつ、何株を渡すか。制度が固まるのを待つ間にも決められることがあります。


四つ目は「納税資金の手当てを考える」こと。後継者が現金をどう用意するか——会社の資金から出すのか、保険や借入を使うのか。ここが会社の体力に直結します。


慌てて動く必要はありませんが、知らないまま時間を過ごすのは得策ではありません。いまの評価と新しい案の試算を並べ、承継と納税資金の方針を決める。それが、今できる最も確実な備えです。


お困りの方は、ご一報ください。

弊社でも、簡易的な株価算出、可能な範囲でのアドバイスはできます。



ただし、本格的な税額の計算と対策検討は、自社の顧問税理士にご相談ください。




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経営者のためのブログ Vol.264

ランナーズ株式会社 関根壮至

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