役職はご褒美ではない――優秀な社員を潰す昇進
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役職はご褒美ではない――優秀な社員を潰す昇進

~経営者のためのブログVol.243~


会社に、抜群に仕事ができる社員がいる。

営業成績は常にトップ。技術力も高い。現場からの信頼も厚い。

だから、昇進させる。


——それ、本当に正しいでしょうか。

この人選が、優秀な社員を潰してしまうこともある・・・という話です。




実務能力とマネジメント能力は、まったく別物

多くの経営者が悩む問題のひとつがこれです。

成績優秀な営業マンを役員や幹部に登用するべきか。技術力の高い社員を管理職にすべきか。


つい先日も、ある経営者の方から相談を受けました。営業成績は抜群。次期社長候補にも考えている。

しかし、その人は現場を手放さない。今日も営業先に出かけている。


経営を任せるのであれば、自分で仕事をこなすのではなく、部下を動かして結果を出すこと が求められます。ですが、その適性が見えない。


これは、決して珍しい話ではありません。

実務能力が高い人が、そのままマネジメントに向いていることは、実はほとんどないのです。






優秀な人ほど、組織を壊すことがある

私の経験でも、営業の腕は一流だが、

  • ルールを守らない

  • 組織より自分を優先する

  • 経営層に非協力的

そんな人がいました。

営業責任者を任せましたが、結果的には組織をかき回し、最終的に辞めていきました。

どれだけ数字を上げても、組織を壊してしまっては意味がありません。

役職を与えるということは、単に権限を渡すことではなく、組織の文化を託すこと でもあります。






では、誰を選ぶべきか?

マネージャーに必要なのは、

  • 目配り・気配りができる

  • 冷静に判断できる

  • 人から信頼されている

こうした資質です。


すると、よく言われます。

「そんな人、社内にいませんよ。」


ですが、最初から仕上がっているマネージャーなど、どこの会社にもいません。

経営者が見るべきは、完成度ではなく、伸びしろ です。


転職市場で“完成品”を探すのではなく、育てる覚悟を持つこと。

これが経営者の仕事です。






成績トップを外すと、必ず摩擦が起きる

ここで厄介なのが、実務ができる人ほど、現場での影響力も強いことです。

その人より成績が低い人をトップに据えた場合、

「なんで俺があいつの下なんだ。」

こうした感情は、ほぼ確実に生まれます。

これは人間として自然な反応です。

だからこそ、日頃から明確にしておく必要があります。







役職は“偉さ”ではなく、“役割”である

私は、役職とは偉い・偉くないを示すものではないと思っています。

役職は、背負う責任の違いを示すもの です。


演劇でも映画でも、主役と脇役があります。

主役だから偉いわけではありません。単に役割が違うだけです。

社長も同じです。


社長は一番偉いのではなく、一番重い責任を背負っているだけです。

もし、この認識が社内に浸透していなければ、職位は“上下関係”になります。

そして、その瞬間に軋轢が生まれます。






偉くなりたい人に役職を与えるな

役職を「地位」と考えている人に役職を与えてしまうと、組織は歪みます。

偉くなりたいだけの人に権限を持たせるのは、極めて危険です。

経営者は、

  • 数字

  • 技能

  • 実績

だけを見て判断してはいけません。

その人が、

  • 組織のために動けるか

  • 自分を抑えられるか

  • 責任を背負えるか

そこまで見て、はじめて役職を与えるべきです。






最後に

優秀な人を評価したい。報いたい。昇進させたい。

その気持ちは、とても健全ですし、よくわかります。


ですが、役職はご褒美ではありません。

それは、役割と責任の重さを引き受けるポジション です。


この前提を外した昇進は、優秀な社員を潰し、組織を弱くします。

その点、どうか慎重に考えてください。



役職をどう設計するかは、単なる人事の問題ではありません。

それは、会社の未来をどう描くかという、経営そのものの問題です。


「実務ができる人」を昇進させるのではなく、「役割を担える人」を育てる。

そのためには、経営者自身が“役割とは何か”を理解していなければなりません。


社長の実務アカデミーでは、人・モノ・カネ・情報の管理だけでなく、役割設計や組織の考え方まで整理しています。


もし今、人事や昇進で迷いがあるなら、一度、全体像を整理してみてください。

▶ 社長の実務アカデミーhttps://www.runs.co.jp/academy




以上、ランナーズ関根でした。



 
 
 

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