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  • 執筆者の写真Takeshi Sekine

「田舎の中小企業の後継者は、どう決まるのか?」

同族企業に限らず、次期社長の選定は難しいものです。今回は、どのように中小企業の後継者が決まっていくのかについてのお話です。





成りたちにより変わる

会社の成りたちによって、次期経営者の選定方法は異なります。大会社の子会社なら親会社から代わる代わる送り込まれる、そうでない中小企業はそのほとんどが創業家から次期社長が選定されると思います。大企業であっても、代々、創業家の人たちが経営を担っている企業もあります。ここでは、田舎の中小企業で、且つ同族経営の場合を中心に話をすすめていきます。



建前と現実

中小企業であっても、取締役会設置会社という形態を採用している会社では取締役会での決議によって次期社長が決まる事になっています。。。が、これは建前であって、殆どの場合は現社長が後継者指名し、取締役会で追認するというのが現実だと思います。田舎の中小企業の社長は絶対的な地位にいることが多く、他の取締役はその方針に従うというのが殆どでしょう。


ちなみに、私の場合、先代の本命は私ではなかったのですが、取締役会メンバーが寄ってたかって「私じゃないとダメだ」と先代を説得し、私が社長に就任したという経緯があります。これは非常に稀なケースです。普通、こんな事をしたら取締役の人たち自身にリスクが及びますので、よく皆さん、抵抗して私を推してくれたなと思います。



どのような基準で後継者は選ばれるか?

本来であれば、能力、人柄を考慮して一族の中から最適な人材を選ぶというのが会社にとっても、創業家にとってもベストなのは当たり前の話ですが、現実にはそうならない。。。より早く生まれた者が選ばれる傾向なのは明らかです。長男、長女が後継者に選ばれやすい、ただ早く生まれたというだけで。。。

あるいは、家を守って親と同居する子供に会社を託したいという経営者もいます。この場合も、人間性や仕事の能力はあまり関係なく、先祖代々の田畑家屋、そして墓を守って欲しいという考えのもと会社も資産の一つに数えられ、自動的に後継者になる。


つまり、現実的な話として、合理的な基準で選ばれる事って少ないんですよ。多分。

結果として、長男、長女は責任感が強く、リーダーシップもあり、仕事もできるというのなら何ら問題ないのですが、そうでない場合は非常に危ない事になります。でも、そいう会社って多いと思います。本来なら、後継者選定は、私情をわきに置いて合理的に判断すべきところですが、これが出来ないのが親ってもんです。



まともな後継者選びはできるのか?

田舎の同族経営&中小企業では、現実的には非常に難しいと思います。仮に、後継者選定を支援するサービスがあったとしたら、利用する人がいるか??? おそらく、日本ではいないでしょう。経営者としての能力を判定できるテストみたいなものは作れるかもしれませんが、最終的に決めるのは親であり現経営です。最後は、どうしても合理性を超越した基準によって決められる事になる。なので、この問題については、政府も啓蒙的な活動を行い、経営者の意識を変えていく必要があるんだろうと思います。でも、この問題は国の競争力に関わる重要な問題であり、もっと注目されても良いテーマなのではないかと思います。




私は、事業承継を経験した会社を退職したばかりなのですが、最後に創業一族へ提案したのは以下のような事です。


(最後の提案)

中小企業を長期的な投資家として、支援してくれる政府系投資会社からの出資を受け、且つ監査役や社外取締役を派遣してもらう。あるいは、銀行からの取締役、あるいは社外取締役を受け入れる。


これが実際に行われる可能性はほぼありませんが、会社の将来を考えると経営トップの独裁を防ぐために必要な提案でした。


同族経営では、経営の透明性だけでなくトップに実行支配力が集中してしまうため、独裁を防ぐ仕組みが必要な事も政府が旗振り役となって啓蒙していく必要性があると感じています。





終わり



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