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  • 執筆者の写真Takeshi Sekine

アトツギ・ベンチャー的な企画で思うこと

個人的に、勝手に心配している事です。

最近ブームになっているアトツギ・ベンチャー的な企画についてです。





過去の失敗

私が社長に就任する前、つまり取締役時代の話です。面白そうな事業アイデアを思いつき、勢いで始めて大失敗したことがあります。ビジネスのことを良く理解もせずに、思いつきによるアイデアで、ぱっと見は面白いビジネスで当時はテレビ・新聞・雑誌といろんな媒体に取り上げられて有頂天になっていました。


しかし、肝心の損益はといえば、赤字を出してしまい、開始から3年で早々に撤退せざる得ない状況になってしまいました。


赤字の額そのものを考えれば、正直、会社が傾くような損失ではなく決算へのダメージもそこまで大きな影響はありませんでしたが、私自身への評価ダメージは甚大でした。


社長の息子という立場を利用し、本業とは一切シナジーが見込まれないペラペラなビジネスにお金を突っ込んでしまいました。


「何だ?あいつ?」


社員からは、当然、冷ややかな目で見られます。マスコミに取り上げられていた分、撤退はかなりカッコ悪い話でした。このことが原因で、数名の社員がまとまって会社を辞めてしまいました。本当に、いけない事をしてしまったと猛烈に反省した経験でした。


  1. 勢い、興味本位で新規事業を始めてはいけない

  2. 外野から「おもしろい」と言われる事・物=「消費者が欲しいもの」とは必ずしもならない

  3. 自分の失敗によって退職者が出るような事を二度と起こしてはならない

  4. 何があっても、冷静さを失ってはいけない

  5. 社長を目指す者が、自分の身勝手な行動によって社員からの信用を失うような事をしてはいけない


私は、この失敗と後のホテル事業再建で得た気づきにより、社長就任後、いきなり新規事業に取り組むことなく、既存事業の深堀と全社的な損益管理の強化(=脱どんぶり)に取り組み会社の業績を伸ばしたのでした。



勝手な心配

最近のブームでアトツギベンチャー、アトツギ甲子園というような企画を目にするようになりました。新規事業に挑むことは決して悪い事ではなく、念入りに計画・検討されたビジネスプラン、やるべきタイミングに面している企業であれば何ら問題ないと思います。

しかし、気になるのは失敗だけでなく「社員がシラケる」という現象が生じないかという事です。


私の勝手な心配ですが、本当に新規事業をこのタイミングでやってベストなのか?

マスコミに取り上げられて、リーダーであるアトツギは気持ちが良いかもしれませんが、今まで先代に仕えて支えてくれた古参社員や、まだアトツギと関係が薄い社員との間で壁が出来てしまわないのか心配にはなります。


アトツギと一緒になって、社員も楽しみながら新規事業に取り組む環境や関係性があるなら、何ら心配することはないのですが、アトツギ一人が張り切り過ぎて、後ろ見たら誰もついてきてなかったという事態が生じると、かなりマズい話です。



余計な心配ですが、最近ネットを見ていて気になる事です。

今、マスコミに取り上げられている事例が5年、10年と持続可能なのか?心配です。

ブームで終わらなければいいのですが。


本音を書くと、経営はそんなに甘くないし、派手でもなく、かっこいいものでもない。。。





終わり


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