連載ブログ第2回、今回は、会社の意思決定に関する「ここが変だった!」についてご紹介していきます。

#2 密室での意思決定
私が家業に入社した当時は、第一回でも触れたように会社は父である社長を中心に回っていました。何かあれば、社長に伺いを立てて許可を得て、あるいは指示を受けてことが進みます。まあ、シンプルといえばシンプルですが、なにせ社員数300名を超え、売上も30-40億にもなる会社ですよ。しかも拠点が北海道から九州まで全国展開している。
この状態では、すべての意思決定が社長に依存するためスピードが遅く、社長の判断が間違っている、あるいは、より良い選択肢があったとしても社長の意見が優先され、会社は社長の思うとおりの方向へ進んでいく。でも、その意思決定が間違いだったら・・・
意思決定において、議論して選択肢を吟味し、最良の選択肢を決めるという企業として当たり前の行為が、あの会社では社長の頭の中だけで行われていた... ってことなんですよね。
これ、皆さんの会社でも見られません? 中小企業アルアルだと思います。
ま、こんな状況だったんですね。私が入社した当時は。
創業者なので仕方ないなと私も思いつつ、私も経営、ビジネスを全て理解しているわけではないので、当時は父の指示にできる限り従っていました。ただ、おかしいと思う事があれば言ってましたが、あんまり聞き入れられませんでしたし、逆にこっちが説得されていた感はありますね。私もまだまだ未熟だったので。
私が家業に入社ししばらくすると、父から社長室に時々呼び出されて「○○をするからな」みたいな感じで経営の意思決定について説明されていました。これはこれで、ありがたかったなと今でも思っています。なぜ、そのような意思決定をしたのか?毎回、私も細かく聞いていましたし、納得できるものもあり、経営者としての意思決定能力の習得に役立った経験の一つだと思います。
ほどなくして、弟が入社してきました。
それまで父は私にだけ相談していたのですが、今度は弟も交えて経営の意思決定について社長室で3名で話すようになったんですね。これ、一見するといいことじゃないか・・・と思われるかもしれませんが、父・弟は賛成、私は反対という状況になった時、押し切られてしまうんです。どう考えても理論的におかしい意思決定であっても押し切られてしまう。
私はどちらかというと理論派です。数値もよく見ますが、父・弟は感覚で物事を決めるタイプなので、そりゃ相性も悪いですよね。
このままじゃ、会社の運営が密室での多数決で決まっていき、おかしな決断を止めることができないという危機感が私にはありました。ヤバいなと・・・
変えたこと(合議による経営へ)
定款を見る限り、家業は取締役会設置会社のようだったのですが、実際にはまともに開催されたことはなかったのです。そこで、私から父へ社員からも取締役を選出し、取締役会による意思決定・経営が行われる取締役会設置会社へ移行しようと進言しました。
これに父は反対することもなく、古参社員で永らく会社を支えてくれていた部長クラスの方々を新たに取締役として向かい入れ、月一回のペースで取締役会を開催し経営の報告・意思決定を行う運営に変えたんです。
これは、とても意味ある事でした。
それまで部長職だった方々は、会議中はダンマリでしたが、取締役に就任したことで責任も重くなりますが経営会議・取締役会での決議に参加する権利を持てることになります。その結果、徐々にではありますが、以前のような社長の独演会状態が解消され、事業を担当する役員が毎回報告し、問題点を議論していくスタイルに持ち込むことに成功してます。
但し、新規事業などの特別な話は、相変わらず社長室で身内だけによる意思決定で強引に進められることがあり、私でも止められない事案はありました。その後始末は、だいたい私がやることになるんですが・・・
どうでしょう、皆さんの会社でもこんな状況ってあります?
次回へ続く・・・
以上
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