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就任後、新社長は何に投資すべきか?Vol.223

更新日:9月21日

~なぜ戦略性の低い投資に走ってしまうのか~


世代交代を経て新しい経営者が誕生すると、会社に「新しさ」を加えようと、社名を変えたり、ロゴを刷新したり、場合によってはM&Aに踏み切ることがあります。

もちろん、それ自体が悪いわけではありません。ですが、その多くは十分な戦略性がなく、「なぜ今やるのか?」が曖昧なまま進められるケースも少なくありません。

なぜ、このような過ちが起こるのでしょうか?そして、どうすれば防ぐことができるのでしょうか?


なぜ新社長は「目に見える変化」に走りがちなのか

後継社長は、就任直後から「先代と違う自分を示したい」という思いを強く持ちます。その結果、

  • 社名変更

  • ロゴ刷新

  • 大きな設備投資

  • 突発的なM&Aといった“分かりやすい変化”に走りがちです。

社員や取引先から「変わったな」と思われたい気持ちも理解できます。しかし、それが戦略性を欠いたものであれば、むしろ経営の足を引っ張るリスクがあります。




過ちの背景にある「承認欲求」

新しい経営者がこうした投資に踏み切る背景には、承認欲求があります。「自分の代になったことを分かってほしい」「新しい経営者としての存在感を示したい」

こうした気持ち自体は自然なものです。ですが、焦って結果を出そうとするあまり、投資が“目的化”してしまうのです。これはファミリービジネスに限った話ではなく、非同族の会社でも容易に起こりえる事故であり、人災でもあります。




本当に投資すべきは「課題解決」

新しい経営者が最初に投資すべきは、派手な変化ではなく既存事業の課題解決です。

会社の本質的な価値の向上です。

  • 顧客の不満を解消する改善

  • 生産効率を上げる仕組みづくり

  • 社員教育やチームの成長支援

  • 財務体質の強化

これらは一見地味ですが、会社の未来を確実に強くします。特に中小企業では採算管理が甘い企業も多く、私自身、社長就任後に取組んだのは「脱どんぶり勘定」でした。




どうすれば過ちを防げるのか?

  1. 投資の目的を明確にする 「この投資はどんな課題を解決するのか?」を問い続ける。

  2. 数字で裏付けを取る 投資効果を売上や利益で測れるようにする。

  3. 社員と共有する 独断ではなく、社員と課題を共有して投資の必要性を議論する。

この3つを徹底するだけで、戦略性の低い投資は大きく減らせます。





まとめ

世代交代直後の経営者にとって、「自分の色を出したい」という気持ちは自然なことです。しかし、焦って戦略性の低い投資をしてしまえば、会社の未来を危うくしかねません。

まして、自分の趣味的な関心事に会社のお金を投じるなどもっての外です。

本当に投資すべきは、地道な課題解決と利益を生む仕組みづくりです。その積み重ねが、やがて「新しい経営の形」として評価されるのです。




以上、ランナーズ関根でした。


 
 
 

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