企業が成長するためには、市場を作り出す必要があります。市場は需要があって、はじめて成り立つわけですが、ネットの普及によって市場の作られ方も昔とはかなり様相が異なります。今回は、消費スタイルの変化、需要喚起について思う事を書きました。
ネットショッピングが普及する前の時代
今では誰もがネットで物を買う時代になりましたが、2000年代の初頭までは、人々がモノを買う場合には、店舗に足を運びモノを実際に見たり触ったりして確認した上で買い物をしていたと思います。買い物する際には、今より慎重にモノを見定め買い物をしていたと思います。また、お金を使う事に対しても慎重にお金を使っていたのではないかと思うんですね。
自分の消費行動を考えても感じることなのですが、あまりにも手軽にお金を使えるインフラが整い過ぎている。これが、昔と今の大きな違いではないかと思います。
消費スタイルの変化
日本という国は、企業が値上げに慎重であり、消費者側も企業が値上げを抑制することに慣れきっていて、値上げには厳しい。その結果として、所得が上がらないという構図がある。。。これは、一つの説なので、すべてがこの仮説で説明できるわけではないと思いますし、値上げを行い、稼ぎまくっている会社もあるので一概には言えません。ただ、事実として諸外国とは異なる構図であることは確かではないかと思います。
私が思うに、所得は実際には増えているハズなんですが、それ以上にお金を使っているのではないかと思ったります。前述したとおり、昔より簡単にお金が使えるというか、モノを変えたり利用したりできるインフラが整っているため、昔より簡単にお金が使えます。
40~50歳の方であれば、お分かりいただけると思いますが、我々世代が子供の頃にはクリックするだけでお金が出ていくようなインフラはなかったですよね。親からもらうお小遣いを握りしめて、駄菓子屋に出かけて、慎重に吟味しながらお金を使うような感んじだったと思いますが、今の子供たちは店にもいかず、画面の中でボタンをクリックすることでお金が使えてしまう。
ネット上では、ブラックフライデー、X’mas、初売り、バレンタインデー、父の日、母の日などなど、いろんな理由をつけてセールが展開されます。
そのプッシュ型の通知に反応して、人々はソファーやベッドでくつろぐながら、24時間いつでも、ショッピングサイトで買い物ができてしまう。衝動買いがいとも簡単にできてしまう環境に身を置いているとも言えます。
私自身の事も時々考えるのですが、昔より無駄なものをたくさん買ってるよなと。。。
どうしても生活に必要なものって、そんなにないハズなんですが、いつの間にか家の中がよくわかんないモノで溢れかえっている。人によっては、買い物して商品が届いてもしばらく未開封で箱が積みあがっている・・・なんてこともあると思います。
何が言いたいかというと、この消費行動を消費者が変えない限り、経済的な余裕はいつまでたっても手に入らないんではないかということです。
企業側の視点で見ますと、今のように衝動買い、不必要でも買ってもらえる商品・市場を作ることで成長を持続することが可能となります。
商売の原則としては、顧客の課題や悩み事を解決するモノ・手段を用意することで商売が成り立つというのが基本原則ですが、実際には本当に顧客が必要なモノだけを企業が売っているとは限らないということです。昔よりも、不必要なものが売れるようになっていると言い換えれるかもしれません。
つまりは、企業のマーケティング活動によってモノが売れてしまう時代なのかもしれません。言い換えると、消費者は売り手によって上手にお金を使わされているということです。
モノがたくさん売れるという事は、確かに儲かるのですが、一方で顧客に不必要なものを買わせることになる可能性もありますし、モノはいずれゴミになります。モノが売れれば売れるほど、ごみが増える。
グローバル企業は、こういう理屈を知っていながら経済規模の拡大に向かっているのかもしれません。
経営者としては、時代に合わせて会社が存続できるように戦略を変えていく必要があるわけですが、自分も含めて消費者がおかれている環境、そして無駄なものが作られることによって消費される天然資源、消費によって増加し続けるゴミ。。。
こういう事を考えると、企業の成長、経済活動って難しいなと思いました。
人それぞれですが、「本当の豊かさ」って何だろうと考えてしまいます。
溢れるモノに囲まれることが豊かさなのか? あるいは、必要なモノだけを所有するのが良いのか?
時々思うのですが、スマホ、PCとかデジタルデバイスを全て手放せたら。。。
そしたら、時間もお金も今より大事にできるんじゃないかと。
以上、ランナーズ関根でした。
コメント