94%の中小企業が「人材強化」を課題と感じながら、なぜ解決できないのか
- 関根 壮至

- 15 分前
- 読了時間: 3分
~経営者のためのブログVol.249~
先月、帝国データバンクが2026年の経営課題に関する調査結果を発表しました。
5,241件の経営層・マネジャーへのアンケートで、第1位となったのは「人材強化(採用・定着・育成)」。その選択率は94.0%(中小企業)。
この数字を見たとき、変わってきたなと思ったのですが、別の疑問が浮かんできました。
「では、解決できている会社はどのくらいあるのか」と。

─────────────────
■ 課題はわかっている。でも対策が追い付かない
同じような調査で、こんなデータもあります。
従業員100名以下の中小企業経営者を対象にした別の調査では、「従業員の育成・定着のための施策を行っているか」という問いに、「いいえ」と答えた割合が68.2%に上りました。
約7割が、育成・定着の施策を何もしていない。
「課題はわかっている」と「施策を持っている」の間には、これだけの大きな溝があります。
この溝こそが、中小企業の人材問題が長年解決しない本当の理由じゃないかと思います。
─────────────────
■ なぜ「採用」から入ってしまうのか?
人が足りない、と感じたとき、多くの経営者がまず考えるのは「採用」です。これは自然な反応だと思います。
足りないなら補充する。シンプルでわかりやすい。
でも採用を増やしても、育てる仕組みがなければ、定着率は上がりません。定着率が上がらなければ、また採用コストをかけて補充する。この繰り返しに陥っている会社を、支援の現場でたくさん見てきました。
私自身、家業を継いだ最初の頃にこのパターンをやっていました。人が辞めるたびに「もっと良い人を採ろう」と考えていた。でも問題は採用ではなく、入ってきた人が力を発揮できる環境と仕組みがなかったことでした。
─────────────────
■ 人材問題の根っこにあるもの
帝国データバンクの調査では、「人材強化」に続いて上位に入ったのが「業務の標準化」(58.3%)と「賃上げ・評価制度」(57.6%)でした。
この三つは、バラバラな課題ではありません。つながっています。
業務が標準化されていなければ、育成は属人的になります。評価制度が曖昧なままでは、頑張った人が報われません。その状態で賃上げだけしても、優秀な人は「なぜあの人と同じ給料なのか」と感じて離れていく。
人材問題の根っこにあるのは、採用予算でも求人媒体の選択でもなく、「人が育ち・定着できる経営の仕組み」があるかどうかです。
これって、経営者目線で考える、土台でありインフラなんですよね。
ここが整ってないと、ヤバイ・・・
─────────────────
■ 「経営インフラ」がある会社とない会社の差
経営インフラが整っている会社では、こんなことが起きています。
新入社員が入ったとき、「誰が教えるか」ではなく「どう教えるか」が決まっている。評価の基準が言語化されていて、上司によってブレない。中間管理職が「自分は何を判断していいのか」を理解している。
これは大企業の話ではありません。社員20〜50名規模でも、仕組みとして持っている会社は持っています。
一方で、経営インフラのない会社では、育成はすべて「社長か優秀な先輩に聞く」になります。評価は「社長の印象」で決まる。中間管理職は板挟みのまま疲弊し、やがて辞めていく。
この差は、規模の大小ではなく、「経営の仕組」があるかどうかの差です。
─────────────────
■ まとめ:
✔ 自社の「育成・定着の施策」を一つ書き出してみる。
何もなければ、それが人材問題の本当の原因かもしれない。
✔ 「業務の標準化」「評価制度」「幹部候補の育成」の三つのうち、
最も手つかずなものはどれかを確認する。
後継者・次世代幹部を育てる「経営インフラ」の整え方を、
社長の実務アカデミーでは体系的にお伝えしています。
→ 社長の実務アカデミーの詳細はこちら
─────────────────
経営者のためのブログ Vol.249
ランナーズ株式会社 関根壮至
─────────────────



コメント