社長の皆さんは、社員が少しでも働きやすい環境で仕事ができるように腐心されていることと思います。私は仕事柄、規模の大きい会社、小さい会社、都会にある会社、地方にある会社と、いろいろな会社に接する機会がありますが、その中で気づいたことがあります。今回はその気づきについてご紹介します。
一律の施策では満たせないニーズ
社員の定着率を高める、新卒社員の採用を意識した報酬、自由度の高い休暇制度、子育て支援、働きやすいオフィス環境、、、いろんな手法で企業は社員のために報いようとしています。
しかし、その殆どがターゲットとなる社員を明確に絞り込むことなく網羅的にやっている施策が多いように感じるのです。
例えば、子育て中の女子社員。
会社の周り、あるいはオフィス内に託児所を設けたが利用が思うように進まない。
製造部門に関しては、
休暇を多くしたが、仕事が終わらず休日出勤が増えてしまった。会社としても時間外手当が増えてしまいコスト上昇の要因となってしまった。。。
などなど、良かれと思ってやってみた施策が効果を発揮しないという話はよく聞きます。
なぜ、このような事が起きるのでしょうか?
それは、施策を考えている人たちが社員の本当のニーズを把握しきれていないからです。 特に良くないのは、社長自らの発案で始まった社員向けの施策です。仮に効果が得られない事が分かっていても、社員は誰も文句を言えない、、、なんてこともあり得ます。
社員からすると「ありがた迷惑」みたいな制度が導入されることは良くある話です。 オフィス環境が過度にきれいになり過ぎたりすると、社員はどう感じるかというと「こんなところにお金かけるなら、給料を上げて欲しい」なんて思われてしまう事もあります。
ミスマッチが起きてしまう可能性があるんですね。
どうしたら良いでしょう?
私なら、まず総務人事部門を通じて公式な全社アンケートではなく、雑談ベースで各部の社員がどんなことで困っているのか調べまくると思います。
そして、出てきた社員の困りごとの中から優先度の高いものを選んでいくでしょうね。優先度は、作業環境における安全性の問題、続いて生産性の問題、まずはここから手を付けていきます。ついで、勤務シフトや休暇など働き方の選択に関する問題と進めていくと思います。モチベーションに関する施策は最後になるかもしれません。まずは業務上の困りごとを解決しない事には、モチベーションどころの話じゃないです。
また、全国展開していたり、さまざまな職種が存在する大きな会社であるならば、職種や地域ごとのニーズが異なりますので、その辺を考慮していくと思います。先程の例で挙げた託児所などは、地域性が大きく影響する施策だという事をご存知でしょうか?
子育てといっても、都会の子育てと田舎の子育てとでは環境がまるで違うケースもあり、この地域差を無視した一律の子育て支援策って上手くいかない事もあるんですよ。
なので、全社に一斉ドカンというやり方ではなく、地域差や職種の違いによるニーズの把握が重要だと私は思います。
まとめ
確かに社員を思い、社員のための施策を実行することは大事な事なんですが、単なるトップの思い付きや、一部の人の意見だけを聞いた施策をいきなり全社に展開するのは待ってください。
ポイントは、非公式に人事総務部を動かして社員の本音を把握することです。そして、施策をはじめた後の効果測定も重要です。やりっぱなしではなく、少なくとも半年に1回くらいは、これまた非公式に人事総務が探りを入れて社員が本当にありがたいと感じてくれているかを探り、イマイチであれば修正を加えていく。
中小企業であっても、一律で始めるのではなく段階的に試験導入することは大事ではないかと思います。
以上、ランナーズ関根でした。
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