会社の状況によって異なるので一概には言えませんが、私がアトツギ社長として最初に取り組んだのは「何で儲かっているか?何で損しているか?」の分析からでした。
最初は会社を知ることから
先代の経営というのは神様的な勘に基づく経営です。後継者はそれをマネできないし、マネしちゃだめです。経験則に基づく経営から、数値に基づく経営へ変えていくことが後継社長の最初の仕事かもしれません。もともと、数値に基づく経営が行われている会社であれば問題ありませんが、そおらく中小企業の多くは経営者の感覚による経営によって運営されている会社が大半と思います。まずは、数字で会社を知ることからスタートです。
コンサルタントになった今でも、私からお客様へ最初に提案するのがこの手順です。感覚的にはわかっているが数値で可視化したことがない社長さんは案外多いです。
まずは帳簿の上で、どこで儲かって、どこで儲け損ねているか調べる。数値の上から儲け損ねている原因について仮説を立てる。そして、現場へ出向き、その仮説が当たっているのか自分の目で確認する。私が言う「会社を知る」というのはこういう事です。
数値の面から会社の変化をとらえ、それが実際にどのような現象として現場で表れているのか見届けることから始まります。これを続けていけば、数値を見るだけで会社の状況がある程度わかるようになってきますし、問題を引き起こしている原因を正確に把握できるようになるのでアトツギの皆さんには、この数値と現場の往復をお勧めしたいです。絶対にやるべき。
稼ぎ方を調べる
これも基本中の基本であり、私が会社を引継いだ直後にやっていた作業です。売上の分析なのですが、全体の売上でどの顧客が上得意なのか?売上構成比を調べます。更に、粗利率についても構成比を調べる。顧客別、製品別、事業別。。。会社によって様々な切り口があると思いますが、売り上げがどのような構造となっているのか把握します。
次に、これが最も大事だと私は考えているのですが、フロー、ストックという視点で売上を分析します。リピートオーダーで得られる売上をストックと置き換えて考えてください。自社の売上のうち、反復取引でどのくらいの売上が得られているのか知ることは重要です。 そもそも、なぜこんな 分析が必要なのでしょうか? それは、中小企業では人的資源が限られ、会社として投入できるパワーを効率よく使うためにこのような分析が必要となります。数値遊びではなく、燃費良く会社を動かすために必要となる作業です。稼ぐ伸びしろのある取引先に営業力を振り向け、営業力の濃淡をつけて動きます。
中小企業で、この力のさじ加減を数値分析に基づいてやれている会社はかなり少ない。これをやるだけでも業績はかなり変わると思うので、ぜひ、やってみてください。
損を引き起こしてる問題の解決
次にやるべきことは、損している問題への対処です。粗利率が低い原因を探り、現場でそれを確認する。そして有効な対策を講じる。
基本的に、この作業はどの会社でも有効であり、あたりまえのようにやるべき基本事項だと思います。地味なんですが、これを真面目に地道に3年やれば必ず会社の業績は良くなっているはず。
新しいことに目を向ける前に、まずはこの基本に取り組んでみてください。
私自身もこのやり方で会社を伸ばしてきています。これやっていると自然と社員との人間関係もできてきますよ。
以上
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